昔からプロペラの戦闘機といえば零戦が大好き。シンプルなフォルムと高度な空戦性能は画期的な戦果とともに子供の頃憧れでした。
▼朝日新聞デジタル:零戦を祖国の空に 修復され米現存の1機、「帰国」探る
零戦が好きなのは日本人の真髄みたいなものなのか、やはり一般的に人気のようです。
子供の頃はともかく、大人になるにつれて色々考えてみると子供の頃の盲目的な憧れとは裏腹にどうもこの「零戦」というのにも色々な種類があり、戦争初期の戦果とは逆に末期ともなるとまったく太刀打ちできなくなり制空権を奪われ、敗戦につながったことも分かってきます。いやどちらかというと、そちらの方が重要な事実なのですが、それに背を向けているのではないかという気持ちも。
(と書くと専門家が各方面から飛んできて絨毯爆撃されそうなのですが、素人の戯言ですので、大人力で流して下さい。)
特に大戦後期に活躍したアメリカの F4Uコルセアのキルレシオ。
F4U (航空機) - Wikipedia太平洋の戦場だけでも、F4Uは64,051回出撃して、2,140機の日本軍機を撃墜しながら、F4U自体は189機を失ったのみであり、キルレシオは1:11.3である。この撃墜率は、航空戦の歴史の中でも類のない実績である。
1:11とは圧倒的。さらにF6Fヘルキャットに至っては1:19とも言われています。
大雑把にいうと、零戦は安全性を犠牲にして機動力、攻撃力を優先したあまりにパイロットの損耗が激しくなり十分にその力を発揮できなくなった、というものです。特に軽量化のためパイロットを防護する隔壁や防弾燃料タンクを備えていなかったことは批判の対象となっています。
ただそれ以前にコックピット内部をF4Uコルセアと零戦とで比べると、零戦のそれはまるでトラクターの運転席のような素朴さであり、とても同じ時代の飛行機とは思えないほどプリミティブな作りでした。
さて話は携帯電話に飛びます。
携帯電話のうち、ガラケーと呼ばれるフィーチャーフォン。カメラからはじまり、i-modeなど通信機能、インターネット接続、オサイフケータイと色々な機能をつけ多機能になっていった携帯電話は日本のお家芸。
しかしそこに乗り込んできたのがアメリカの黒船、iPhoneというスマートフォンです。さらにはグーグルの Androidまで投入され、まさしくアメリカの物量作戦の前に日本の携帯メーカーは衰退に撤退を余儀なくされている現状。
なんとなく第二次世界大戦を思い出しませんかね。
大戦までいかなくとも、我々のしっている「ワープロ戦争」は間違いなく近似しています。
ワープロも1ラインからはじまって多機能化、しまいにはディスプレイ、プリンタだけではなく、スキャナや通信機能まで入ってきてなにがなんだか分からない状態に。各家電メーカーすべてが参入していたものの、次々と撤退。最後はPC(DOS/V互換機)とマイクロソフトWORDにすべて絡めとられてしまった、あれです。
零戦も最初のデビューが華々しかっただけに、その成功体験に拘泥し、なかなか次世代機に資源を投入できなかったことが問題視されています。その結果改良に改良を重ねていったわけですが、そうしている間に時代に追いつかなくなってしまうのですね。
こういうことは日本はよくやりがち、ということをよくよく肝に銘じておかないと、また同じことを繰り返してしまうかもしれませんね。