ミニ四駆小説「流しのミニヨン・レーサー北川」:第19話 代々木 #mini4wd

前回までのあらすじ

警察は組織の地下工房「ファクトリー」へ踏み込んだが、すでにもぬけの殻だった。捜査官サラは荒れる。流しのミニヨン・レーサー北川に浜田から連絡が入った。

北川は代々木駅西口に降り立った。駅前という風情はなく、周囲の道路は狭い。飲み屋がぽつぽつとある中を抜けて、浜田のいる焼肉屋へ向かった。

浜田「兄貴ィ、こっちこっち!」

引き戸をあけて北川が焼肉屋に入ると、浜田と学生が手招きしていた。北川は二人の前に座り、ミルクを注文した。

北川「...浜田、今日は助かった」

トラブルでもなんでもない、単に逃げ出す口実だった。


浜田「兄貴ぃ、珍しく殊勝でんなあ。何かあったんですか? まあそれはともかく、飲んで下さいよ!」

北川「ところで何の用だ?」

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浜田「いやね、この店、焼き肉屋なんですけど、最近ミニ四駆コースをおいて走れるようにしたっていうんですよ。しかもお姉ちゃんがカワイイ! もういうことないでしょ!」

北川は興味がなさそうだった。学生にふと目をやると、学生が女性店員を凝視している。ヤレヤレといった風情の北川。

北川「それより浜田、傷の具合はどうだ?」

浜田「御蔭様でかなりええ感じですわ。入院生活で少しやせたんで、たらふく焼き肉食べて、滋養強壮せんとアカン」

浜田はご機嫌で焼き肉をほうばっている一方、学生はまだ女性店員を凝視していた。

浜田「...学生、お前も焼き肉食わんと力でんぞ!」

学生「北川さん、あの店員の持っているミニ四駆を見て下さい。随分派手ですね、ホイールが真っ赤ですよ。」

北川は女性店員が持っているミニ四駆を見て、ハッとした。

北川「あれは、まさか...」

浜田と学生はきょとんとしている。

(づつく)

【ミニ四駆小説は平日1日に1回、12:00更新予定です】

この小説はフィクションで、実在の人物・団体と一切関係ありません。

賭けミニ四駆レースは法律で禁じられています。

ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。

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