1970年に発売された日産チェリーは日産初のFF。後にクーペ X-1・Rが追加され、その独特のフォルムとハンドリングで一世を風靡したそうです。
伝聞なのは、さすがの私も当時は幼少のみぎり。まだモータリゼーションが進んでなく、一家に一台というのは夢のお話、普通のサラリーマン家庭だったうちはまだ父親も免許すら持ってなかった頃だからです。
そんな名車チェリーが置いてあったパーティ会場。このパーティ会場で発表になったのが日産・新型NOTE。ダウンサイジング技術で1200ccまで排気量を落とし、パワーと燃費を過給器、スーパーチャージャー、CVTで稼ぐという手法をとってきました。
日産のスーパーチャージャーといえばマーチスーパーターボ!
▼#ifdef Motorsマーチ史上最強(最狂?)のクルマ「マーチ スーパーターボ」。初代マーチ(K10)のモデル末期に出現したじゃじゃ馬で、イカレたエンジンが特徴。 無茶な設計のこのエンジンは、ターボに加えスーパーチャージャーを装備。ターボで過給した空気をスーパーチャージャーでさらに過給する。 基本的にパワーを稼ぐためにマーチターボのタービン(日立 HT07)より大きいタービン(日立 HT10)を採用しているので、タービンが回りにくい。 いわゆるターボラグがデカいので、その場合の補助として過給ラグの無いスーパーチャージャー(2葉ルーツ式)を装備している。
マーチ・スーパーターボと違ってターボはありませんが、排気量の少なさを補うスーパーチャージャーを装備するという点では、似通った発想です。
新開発 1.2リッター直噴スーパーチャージャーエンジン(DIG-S)
エンジン形式 HR12DDR
総排気量 1.198L
圧縮比 12:1
燃費(JC08モード) 25.25km/L
主な技術 DIG(直噴)、ミラーサイクル、アイドリングストップ
このダウンサイジング技術、ヨーロッパ車ではとても一般的で、いまやドイツはもちろん、イタリア、フランスと直噴ターボが大流行。VWのPolo/Golfに至ってはマーチ・スーパーターボのようにターボとスーパーチャージャーを両方を採用するモデル・グレードもあるほど。
そういった昨今、直噴+過給器に消極的だった日本メーカーもついに参入したかと思うと胸が熱いです。いや戻ってきたというべきか。
というのもマーチ・スーパーターボの例でもわかるように、このダウンサイジング技術は元々日本が得意としていたジャンル。欧米のクルマが大排気量・大トルクで走りやすく作っていたのに対し、排気量を大きくせず、過給器でパワーを引き出して同等以上の走りを実現していた1980年代。
猫も杓子も過給器つけてカタログスペックの馬力を上げようとした背景がありますが、もう一つの要因は日本の税制。5ナンバー、小型車の税金に対し、2000ccを超える3ナンバーの普通車の税金が非常に高かったのが原因です。そのため 3000ccのエンジンと同等のスペックを2000ccターボで実現してしまおう、というのが発想の源。
ところがこの得意のダウンサイジング技術が税制の見直しにより3ナンバー車も5ナンバー車とあまり変わらなくなり、じゃあってことで日本車も欧米と同じくどんどんと排気量が大きくなって、すっかり忘れ去られた感がありました。
今回のダウンサイジングは以前のパワー(馬力)追求ではなく、燃費の追求がメインとなっているのが大きな違い。いかに燃費がよいか、カタログスペック競争の主戦場が燃費にとって代わられました。実際今回のパネルやプレゼンテーションでも馬力表示は一切ありません。
追求するのがパワー(馬力)なのか、燃費なのか。日本車は新旧いずれにしてもカタログスペック重視といったところでしょうか。
しかし残念がることはありません。というのもこれはあくまでも序章にしか過ぎないからです。
ジュークに採用されている1.6リッター直噴ターボは190馬力のパワー型。
▼日産:ジューク [ JUKE ] コンパクトカー | ターボの魅力
つまり日産は1.2リッタースーパーチャージャー、1.6リッターターボを手にしたことになります。となると次に期待するのはもちろん、スーパーターボの再来!
この狭いエンジンルームにさらにターボがついたら最高じゃありませんかね。日産NOTEはマーチと同じプラットフォームを採用。つまりマーチベースで新しいスポーツクーペが誕生する可能性があるのですよ、まるでスーパーターボのように。そしてそのルーツはチェリーX1、X1Rなのです。
そうでなければ新型NOTEの発表会にわざわざチェリーを飾るわけないと思うのですけどね、それは期待しすぎというものでしょうか?
新型NOTEの持つ高燃費に上質な内装もいいのですが、ワクワクする走りも大事です。NOTE、マーチベースでひとつ、ホットでスパイシーな奴、頼みますよ、日産さん。
▼日産:ノート [ NOTE ] コンパクトカー Webカタログ トップ(現行型)
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スーパーターボ違い。
draco
日産チェリーは日産発のFF。発は初?ある時ある人があるホテルに秘書と共に見えるというので、車は何だろうとなり、きっとあの方ならセンチュリーだ。正面に走り込んできたのは「1000チェリー」、そうです1000ccのチェリーだったのです。写真懐かしい。顔もつり目じゃないし小型だし人の温もりが感じられ、一生懸命造ってた気持ちが伝わってきます。この前のカローラが昔のクラウンよりでかくなってしまったり何か変。小排気量に過給器、フィアット500ツインエアー等々。トヨタのハイブリッドに匹敵する技術が見えないのが日産にとって少々淋しい。
tnoma
> dracoさん
昔のクルマは味がありますよね。単なる郷愁だけでなく、限られたなかで最大限頑張ってやろうという意気込みを感じられます。
今もそうなんでしょうけど、どれもこれも5ドアばっかりとなると、ちょっと。X1Rみたいなの、期待してます。