ミニ四駆:耐久レース初優勝!しかも親子でダブル優勝!えのもと杯アルカリ電池耐久レース(2010年3月)参戦レポート

桜も咲いたのに吹きすさぶ寒風、高尾の風は特に冷たいぜ、ということで外気温は6~8度。そんな中行われたアルカリ乾電池耐久レース。

今回は午後雨が降るという予報のため、通常15分x2本で行われる予選を20分x1本で開始。天気がもてばそのまま2本目に突入するも、通常と同じく支給されるアルカリ乾電池は2本のまま。さてどうなることやら。

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今回のコースの大きな違いは、ラップカウンターをジャンピングスポットの先に設置している点。コースアウト時ラップカウンターの前に戻すというペナルティを課されるわけですが、コースアウトがジャンピングスポットで起きるのでそこからスムースに戻せるようにという配慮です。

と同時にペナルティがほぼ丸々1周になるということでもあり、よりコースアウトしない、しずらいセッティングが重要になります。前回の耐久レースのように、コースアウトしては戻し、コースアウトしては戻しといった、えっせ、ほいせという作業は疲れる上ラップはカウントされないという二重苦を背負うので避けたいところです。

そういった背景から、各車のマシンセッティングは最速ラップタイム指向から安定指向へ。ブレーキにマスダンパーといったジャンプ対策を講じてきています。一方で電池を消耗したときにははずせるようにといった配慮や工夫もされており、なかなかハイレベルな作りこみ。

そんな中、私とうちの子供はエアロウィング+マスダンパー装着と、

「エアロダイナミクス」

を重視。私はリアウイングにフロントマスダンパー、子供はフロントウィング+リアマスダンパー、ブレーキ装着といった布陣で挑みました。

さて1回目の予選、20分の走行。

安定性重視でノーマルモーターを使うぱださんと、トルクチューンモーターで飛ぶのを重さとダウンフォースで抑えつける私のマシンはデッドヒート。直線のスピードにまさる私のマシンが直線でひきはなすもの、フリクションの少ないコーナリングマシンでおいすがるぱださん。

そのデッドヒートは最後まで続き、終わってみれば121周と120周と1周違い。そして大人の部は終わってみるとぱださんの121周を筆頭に120周x2名、117周と僅差。勝負の行方は後半戦にもつれこみます。しかしこのときは気づかなかった、今回の耐久レースの恐ろしさを。

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後半戦に備え、モーターを逡巡。スピードのトルクチューンか、燃費のノーマルか。すでに20分走行しており、電池の消耗が気にあるところ。悩みに悩み、ノーマル、トルク、ノーマル、トルク、ノーマルとなんと5回もモーターを交換して結局ノーマルで後半戦に望みます。それにともないフロントマスダンパー、リアブレーキを除去。

一方前半をノーマルモーターで乗り切ったぱださんを筆頭に他のマシンはトルクチューンモーターに換装、圧倒的なスピードで引き離しにかかります。これは万事休す。

じりじりと引き離される私のマシン。このままでは勝ち目がなくなります。ということで途中でトルクチューンモーターに換装することに。

マシンをキャッチし、ボディキャッチをはずそうとするも、なんと手がかじかんで指がいうことをききません。これはまるでパンチドランカーになったカルロスのボタンを矢吹ジョーがとめようとして、あれ、あれっととまることができず、はじめて自分がパンチドランカーになっていることに気づいたあのシーンを彷彿とさせます。いや、単に外が寒かっただけですが。

そんなわけで、手がかじかんでモーター交換がパダってしまいました。それでもなんとかコースに復帰。スピードは多少改善されました。

一方他のマシンがトラブルによりピットイン、どうやら電池が終わってしまっていたらしく色々してもスピードが戻りません。

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そしてゴール。結局周回数は99周。他の選手が113,110周となっていたのに比べると圧倒的差なのですがギリギリ3位に滑り込みました、あぶなかった~。

さて次は決勝レース30分です。新しい電池で仕切りなおしです。

予選レースの反省から、前半ノーマル、後半トルクチューンモーターに換装。ブレーキ、マスダンパーといった重量物かつ速度を抑えるものは搭載せず、リアエアロウィングのみで望みます。まあつまりはさっきの後半戦のままということですが。

耐久レース決勝は全車ノーマルモーターでスタート。基本的な戦略は同じで、最初ノーマルモーターで燃費をかせぎ、後半たれたところでトルクチューンに変更してラップタイムの落ち込みを防ぐものです。

案の定コーナリングにまさる予選1,2位のぱださん、ヨヒノリさんが先行。私のマシンはどんどんと引き離されてしまいます。これが基本的なマシン性能の差なのかと悔しい思い。

そのままの状態で15分が経過。

周回数の差が大きくつき、このままではもはや逆転は不可能。しかし最後の望みをかけ、一番最初にトルクチューンモーターに交換。ラップタイムをあげ、一気に周回をつめます。

しかしすぐに他の2台も同じくトルクチューンモーターに換装、ラップタイムは同じに回復。つまり差がつまりません。このままゴールを迎えるかと思われたラスト5分・・・

なんとぱだ号が突然失速。モーターをノーマルに交換するも、ノロノロとしか走りません。これはマシントラブルか!?

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この時点で2位にあがれることが見えてきました。しかしこのまま終わらないのが耐久レースの面白いところ。

なんと1位を独走中だったヨヒノリ号が同じく突然失速。こちらはモーターをノーマルに戻してもまったく走れず、リタイア状態。

とすると!?

そうです、私の車がそのまま走りきって逆転優勝!やった、棚ボタラッキー!!いえーーい!

どうやら他の2台は完全に電池が終わってしまった模様。つまり使い切っちゃったということですね。私の電池はトルクチューンモーターの使用が多かったにもかかわらず、最後までもちました。

さて次はジュニアクラスの決勝。ジュニアクラスは今回3名だったので、全員決勝です。

スタートするとやはり小学生5年生の実力者Kくんが一気にスピード突き放します。一方6年生のMくんはリアローラーベアリングがバラバラに。何度しめてもボルトがとれてバラバラになるため、そこで周回差がついてしまいました。

主流は大径タイヤを使うのに反して、かたくなに小径ホイール+溝アリタイヤを使うのはうちの子。速度面で不利で1位のKくんと周回差がついていきます。

子供たちのモーターは全員トルクチューン。なんでも「速度で負けるのはまかりならん」という負けず嫌いが働いているようで、燃費走行とかあんまり考えていません。いけるところまでいって、ノーマルに交換しようという算段らしいです。

さてそんなこんなで20分が経過。誰もノーマルモーターに変更しようとしません。Kくんに子供がそそのかされるも、子供はにやにやしながらかわすといった状況。子供とは距離が離れていて直接話さなかったのですが、

子供「モーター変えないほうがいいよね?」

私「うん、変えないほうがいいね」

子供「やっぱりね、わかった」

とアイコンタクト。以心伝心、あうんの呼吸とはこんな感じなんだな思いました。さすがは親子?

そこで子供のとった手段。マスダンパーのオモリだけを下ろす作戦。

そしてコースに復帰。1位Kくんとの周回を1周までつめます。というかあれ、さっき逆転してなかったっけ?

やはりピットインのロスタイムによりKくんの周回が勝ってしまったようです。このまま2位で終わるかとおもいきや、やってきましたあの時間です。そう、

電池切れタイム!

Kくんのマシンがスローダウン、またもや耐久レースの魔物がでましたよ。みるみるラップタイムが落ち、バンクコーナーを登らなくなる中、たんたんと周回を重ねる子供のマシンが最後の最後でかわし、トップ!

そしてそのまま30分経過、155周でゴール! なんと親子で耐久レースを制してしまいました!どうもありがとうございます。

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さて今回の勝因。それは前回のレースで得た教訓、「最後まであきらめない」。前を走っている車にいつ、どんなトラブルが発生するかわかりません。特に耐久レースでは走行時間が長いためマシンへのダメージも大きいし、電池の消耗も激しいです。今回は春先にもかかわらず10度以下という外気温、手がかじかんでモーター交換もままならない状態でしたからなおさらです。

そんな中、落ちてきた棚ボタを拾うポジションにいることが重要。F1でいえばジェンソン・バトンがそんな感じのドライバー。私は勝手に彼のことを「振り向けばバトン」と呼んでいるのですが、その意味は入賞圏外にいたはずなのに、上位陣にトラブルがあってふと気づくとが入賞圏内にいる、「振り向けばバトンがいる」ということです。

そんな「振り向けばバトン」はワールドチャンピオンを得て、前回のF1レースでも優勝してしまいました。ですからどんなに速度が劣っていても最後まであきらめず、手を抜かずに頑張る姿勢が大切だと改めて感じました。

そしてもうひとつの要因。それは電池の消耗です。今回、ラッキーにも親子とも電池が最後までもったというのは単純に「電池がアタリだった」で片付けていいものでしょうか。

親子優勝のかぎを握るのはエアロウィング。エアロウィング装着の理由は、テーブルトップでの姿勢制御が主目的でした。しかしこのエアロウィング装着により重量は増加、さらにエアロダイナミクスによりダウンフォースの発生、走行抵抗が増加しているはずです。

これはつまりモーターに対する負荷が上がっていることを意味します。

モーターの定格は適正負荷を与えた状態での電流値、パワーを計測しています。ということは、負荷が異なる場合はもちろん電流値が異なるということです。

ノーマルモーターの燃費がいいというのは同じ負荷の状態ですから、もしかしたら軽量化や低フリクション化によりモーターへの負荷が減り、高速化(高回転化)することにより燃費は悪化しているのかも知れません。

これはあくまでも仮説ですから、実際には寒冷な気温のせいで電池のあたりはずれが大きく現れたという可能性もあります。ただこの負荷(走行抵抗)の違いと燃費の関係はいまいちど検証してみたいですね。

結局今回の結論としては、

蛍光イエローのエアロウィングは効果があった!

ということです・・・いやないな。

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さて今回の耐久レースはロジクールのWebカムとネットブックを使いUstreamライブ中継も行いました。実は操作に失敗して録画できなかったのですが、画質面、通信品質面でやはり相当よかったです。

一方で配置が出入り口に近い場所だったことからほとんど実況ができず、ただ放送しているだけになってしまいました。これはワイアレスマイクを使って他の場所から実況を行うことで、カバーできそうです。

来月の耐久レースも放送予定ですので、最終日曜日お暇なかたはぜひチェックしてみてください。

スタッフの皆さん、参加者の皆様お疲れ様でした。そして優勝ありがとうございました。次回も頑張ります。