人工衛星の打ち上げといいつつ、弾道ミサイル「テポドン」だったとの見方が大勢の先日のロケット発射実験ですが、やはり気になるのはわが国の防衛力、自衛隊の実力です。そんな矢先にちょうど「今こそ知りたい!自衛隊の実力」という書籍が転がっていたので読んでみました。
発刊は1999年、つまり10年前。10年前なのでさぞかし内容が古いかと思いきや、
・テポドンがもし発射されたら
・工作船問題
・テロ・破壊工作対策
・紛争地域の日本人の救出
など今もまだ課題となっているものが山積みなので面白く読めました。
1998年にテポドン1号の発射実験があったのですが、あれからもう10年以上がたっていたのにも驚きました。1999年当時すでにイージス艦4隻、PAC-3の配備があったので今回のテポドン試射の体制とほぼ同等になっていました。
今回のテポドン2号の試射に対して、誤報が2回出たりとその体制に課題を残しましたけど、あれだけの体制を整えたということはすでに臨戦態勢といってもいいでしょう。そしてもっとも問題となっているのは、その装備であったり錬度、さらに実戦経験ではなく、もっと政治的なところです。
現状の体制では有事の際に自衛隊が動くこともままならない、ということが指摘されています。有事というのは日本列島が攻撃された場合だけではなく、たとえば紛争地域の日本人救出活動も含まれます。ソマリア沖の海賊に対しての自衛艦派遣が最近ありましたが、あれも手続きをふんでからいけるのであって、突発的におきた事件に対してスピーディに対処できません。
そういう意味では未だ、軍隊ではないといっていいんでしょうね。
ちょうどTVで航空自衛隊・救難隊の訓練模様が放送されていましたが、精神的・体力的に厳しい訓練と、コメンテーターの認識の甘さとのギャップに考えさせられました。
今こそ知りたい!自衛隊の実力 (宝島社文庫)
別冊宝島編集部