河川の増水も怖いですが、自宅サーバーを運用していたり、SOHOの人には落雷・停電は恐ろしいです。つい先日の高尾地方で起きた雷雨・豪雨では1回瞬断でギズモードの原稿がパー。そしてもう1回約10秒ほど停電し、自宅サーバーおよびバックアップサーバーも当然落ちました。
幸いディスクに障害はなく正常起動したのですが心臓に悪いったらありゃしない。ということで速攻で注文しましたよ!
今回購入したのはAPC社の無停電電源装置(UPS)。
UPSでもっとも大事なのは、UPSとは何かというのを理解すること。奥様いわく「ああ、停電しても電気つかえる装置なんだ」と悠長なことをいってましたけど、こんな小さなバッテリーで家全部をまかなえたらそりゃあ夢のようです。
UPSとは単純にいってしまうとノートPCのバッテリーのようなもの。AC電源をつけている間はACから電源供給され、AC電源が途切れると自動的にバッテリーに切り替えてくれます。
ただ大きく違うのはノートPCのバッテリーが何時間ももつのに対して、UPSのバッテリーは数分しか持ちません。UPSは
「停電時に電気機器を使う装置」
ではなく、
「停電時、PCを正常シャットダウンさせるまでの時間稼ぎをする装置」
です。ですから停電しても壊れない機器は接続する必要がありません。例えばTV、ラジカセ、留守番電話など。PC系でいえばルーター、HUB(ハブ)、無線LANといったネットワーク機器も不要です。簡単にいってしまうとハードディスクが入ったPCが対象です。とはいえ最近のHDDレコーダやPS3に必要かはわかりません。
もうひとつUPSにある機能として、落雷時のサージ(雷サージ)から機器を保護する機能があります。雷は大きな電圧・電流のため、流れた瞬間に電磁誘導で電線に突発的な電流が流れます。これにより機器が破壊されるのを防止するのが「サージ保護」です。これはコンセントだけではなく、TVアンテナ、電話線などからも流れる恐れがあるため、UPSでそれもサポートしているものがあります。
計装豆知識|落雷と誘導雷誘導雷とは、雷雲の発生から雲間、雲内、主放電を起因として二次的に発生する現象であり、その影響は広範囲にわたり拡散します。 放電による「電磁誘導」、強烈な照度による「電磁波」、架空線路上を進行する正電荷(進行サージ:雲底の負電荷消滅で拘束から解かれた正電荷が減衰しながら線路上に沿って両側に進行する)の合成が「誘導雷サージ」です。 直撃雷(落雷)の頻度に比べて発生回数は著しく多く、雷雲が遠ざかるか消滅するまで何度でも電線や通信回線およびアンテナを通して屋外や屋内の設備に侵入します。雷被害の多くは、この誘導雷が原因で発生します(図1参照)。
雷サージ - Wikipedia雷サージによる被害を軽減するためのサージプロテクタというコンセント型の器具も市販されている。また、テーブルタップや無停電電源装置などに内蔵されているものもある。
以上から、UPS選びの方法は以下となります。
1) バッテリー容量
2) 雷サージ対策
まず1)ですが、当然使用する機器の消費電力よりも大きな容量でなければいけません。UPSは必ず725VA(450W)などVA(ボルト・アンペア)とW(ワット)で表記されます。使用する機器の消費電力よりも大きなものを選ぶ必要があります。また使用できる時間を考え、不要な機器はつながないようにしたいです。消費電力が少なければそれだけ、バッテリー駆動時間は延びますので。
2)については落雷・停電以外の機器損傷のリスク低減には必要です。特に電話線+ADSL、アンテナ(ケーブルインターネット)など電線は気になります。光ファイバであれば家に引き込むまで光ファイバなので特に問題はないかと思います。
私の使用しているPCの定格は
メインサーバー 420W
バックアップサーバー 305W
クライアントPC 220W
今回はlinuxで自動シャットダウンすることも考え、メインサーバーにはAPC ES 725(450W)、そしてバックアップサーバーとクライアントPCには CLASSIC PRO UPS1200LX(720W)を購入しました。
早速APC ES 725が届きましたが、大きさはというと・・・
1/144スケール ガンダム・ザクとの比較から類推してください。結構なボリュームあります。
使い方は単純に電源をつなぐだけですが、停電時の制御設定ができるのでそれは実際に使ってからレポートしたいと思います。
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