F1シーズン開幕とタイヤの温度の話

ようやく2007年のF1が開幕になりました。今年の注目はなんといってもスーパーアグリF1。去年の走るシケインからいきなりの中堅チームに大躍進か!?と思わせる活躍ぶりでした。この調子でシーズンがいけると楽しみですね。

琢磨は堅実なレース運びで完走でしたがレザルトには不満な様子。F1は参加する競技ではなくって勝ちに行くものですからね、そういったハングリーさが彼の魅力のひとつです。早く無理やりなイン射し、ドアこじあけ走法を見てみたいものです。

ところで今年からのレギュレーション変更、特にタイヤがワンメイクになったことでミョウチクリンなレギュレーションになってました。単純にいうと2種類供給されるので、その両方を1回でも使いなさいよ、ということらしいです。フジTVのタイヤ解説では非常に簡単に

ソフト:タイムは出るが、ライフが短め

ハード:安定したタイムで、ロングライフ

と解説されてましたけど、それはミスリーディングのような。

ソフトタイヤ、ハードタイヤといっても実際にはタイヤの構造は同じ(だと思う)で、表面にくっついているゴム、コンパウンドといいますけどその材質が異なるはずです。

タイヤのグリップ力はこのコンパウンドでほぼ決まるわけですが、このコンパウンドは非常に温度にセンシティブです。適正な温度以下ではいわゆる「温まらない」といってグリップ力が低く、逆に適正温度を超えると「たれた(熱ダレした)」といって同じくグリップ力が落ちます。いわゆる「タイヤを美味しく使う」というのは、適正温度領域を保つことで最大限のグリップを引き出すことを言うわけです。

タイヤの温度は路面温度にも左右されますが、最終的には車のセッティングやドライビングで変わります。リアウィングをたててリアに荷重をかけている車であればリアのタイヤ温度は上がる方向でしょうし、ハンドルをこじって運転すればフロントタイヤの温度は上がります。チームやドライバーによってハードタイヤなのにタイムを出してしまったり、ソフトタイヤなのにロングランすることがありますが、それは不思議でもなんでもなくって、コンパウンドの温度をうまくコントロールして適正温度領域を保ち、最大パフォーマンスを得ているのでしょう。

だからソフトとかハードとかではなくって、低温側、高温側といった方が誤解を招かないと思うのですが。

↓こんな感じ