素敵なカーライフ

2200cc版S2000が出て議論されていることについて思うところを少し。

ほとんどの人が気になっているのが、「旧S2000と比べて速いのか?」という点。ネット上でも、雑誌でもそういった比較がよくあるし、自分でも気にはなるのですがそれをもって2200cc版が乗りやすいとか、旧2000ccはトルクが細くて玄人向きだとかという単純な話ではないように感じます。

サーキット走行のタイムを比較して速いとか遅いとかいう風潮もあるようですが、それはある限定された場所で同じ腕をもったドライバーがたまたま出したタイムであって、車自身のある一面しか表しません。速い遅いでいえばエンジンのレブリミットが引き下げられたことと、ギア比がローギアードされたことによりシフトアップポイントが変わり、従来2速でいけたところが(ギアが足りなくなって)3にあげなければいけないところなど、いわゆる「ギアが合わないコーナー」とか出てくるシチュエーションではかえってタイムロスする可能性があります。

シフトをさぼって4000回転でぼやーっとアクセルONして立ち上がるところではトルクとローギアード化されたギアで瞬発力はあることは間違いないでしょうが、そういうのを楽しみたいなら私はZ33がより良いと思います。あの強大な3500ccのトルクでグイグイと前に推し進めてくれることでしょう。

競技で考えると2000ccより上と下でクラスが変わることが多く、そうなるとAP1(1998cc)とAP2(2156cc)では別クラスの車となり、比較になりません。ですのでサーキットでコンマ何秒を比較するのは実は余り的確な比較ではないのかなと感じてきています。

多くのユーザーはストリートでどう感じるか、なので「走りの質」が大事なのでは。走りの質でいうとS2000の良さというのはエンジンではなくって、そのシャーシ性能にあると最近分かってきました。とにかくハンドルに素直です。エンジンが完全に車軸の後ろにのっている、フロントミッドシップ構造になっていて、50:50の重量バランスを保っている点、これがハンドリングに寄与しているようです。50:50の重量バランスをとるのは他の車でもできているようですが、エンジンが完全に車軸より後ろというのはなかなか見れません。そのためシビックよりも重いのに、フロント荷重はシビックよりも軽く、ステアリングに敏感に反応してくれます。

リアはというとLSDやらサスペンションを換えたのでノーマルとは違うんですけど、トラクションがかかって前に進んでくれるところがいいですね。逆にドリフトには向きませんが。

車のもっともいいところだと思っているのは、ドライバーが運転をする点です。つまりどんなに良い車でもドライバーがへぼだとへぼいし、遅い車であっても良いドライバーが運転すると、スムースに走ったりします。ドライバーの良し悪しが車の最終的な性能を決定するところが憎いです。

またドライビングの楽しみはスポーツカーだけのものではありません。どんな車でも運転できることはそれ自体が楽しいことで、その楽しみが伝わる車はより良いでしょう。車の運転が楽しく、ワクワクすること、これが素敵なカーライフの秘訣だと思います。

その領域においてフィーリングは重要で、サスペンションをかえた、アーシングした、エアロをつけたなどなどで変化を感じることはどんな車であっても楽しめると思います。

皆さんが素敵なカーライフを今年も送れますように。

まずは私の車はあのリアの異音を直して、乗り心地が良くなるといいなぁ。はっきりいって、振動が多すぎ(^^;