ステップ・ワゴンのタイプR的アプローチ

最近車の話題をしていないので、たまにはエントリー。気になる車種はないものの、ホンダの本流、ステップワゴンのフルモデルチェンジです。

STEP WGN

核となるのは、Honda独自のプラットフォーム技術。低床・低重心化を徹底的に追求し、
空間価値と高次元なダイナミクスの双方を妥協することなく突き詰めることで、
「ユーティリティ・ミニバンのゆとり」に「セダンの走りの質」を備えた
新しい価値を持つ多人数乗用車を生み出せると確信しました。

蓮子 末大(はっし すえひろ)
(株)本田技術研究所 主任研究員

1972年、(株)本田技術研究所入社。
サスペンション設計室、商品企画室を経て、
'00年シビックのプラットフォーム開発LPL、
'01年欧州3ドアシビックおよびシビック タイプRのLPLを担当。
今回3代目ステップ ワゴンのLPLを務める。
趣味はゴルフ、野球、空手、他スポーツ全般。
愛車はアコードSiR、オデッセイ。

最近は車を機能面やデザインだけではなく、作り手のフィロソフィーとか、性格を見てみたいと思うようになりました。もちろん大ファンなのは上原氏ですが、こちらの蓮子氏もタイプR伝説トークを見に行ったときの話し振りや考え方に共感しました。彼は「フィットにタイプRがあってもいい(あるべきだ)」と主張していましたが、まさにそうだと思います。

2代目EP3シビックタイプRを手がけた蓮子氏の次の車がステップワゴンなのですが、見た目のデザインや両スライドドアなどの変化以上に気になるのがそのダイナミクス。エアロダイナミクスの向上、低重心化、サスペンションの見直しによるノーズダイブの低減など「バス」だと思っていたステップワゴンの運動性能が飛躍的にあがっていることが伝わってきます。さらに開口部が多く、大きなワゴンでありながらそのボディ補強の入念さはまさにタイプR的手法です。

まあだからといって買うことはないんですが(^^; 車が移動するリビングではなく、ハンドルを握って運転することが楽しいと思える根本的な良さをどんな車も持っていて欲しいと願っています。

もうひとつの危惧として、移動するリビングはすなわち移動する私的空間なのです。しかし公道は公の場。publicとprivateのかちあうところに色々な問題が生じます。車は公道を走る限り社会性をもちます。法規を守るのは当然として、マナーは大切にしなければなりません。しかし私的空間だという甘えがあるとマナーはおざなり、自己中心的な行動が助長されがちです。そういう危険性をワゴンやミニバンは多く孕んでいると私は思っています。

逆にもっとも社会性がある車がオープンカー。なにせ私的空間を封じる屋根がないんですから。バイクはヘルメットと騒音によって私的空間を作ることができますが、オープンカーはヘルメットがない分、バイクよりも無防備で社会にさらされています。そのため、運転がよりメリハリつきました。人がいるところではお上品に(^^) 車も綺麗にしておきましょう。