乳幼児とマイカーの必要性

先日会社の先輩が出産に備えて初めてマイカーを買ったという。マイカー。甘美なヒビキ。奥さんと産まれてくる子供のためなので、今はやりのコンパクトカーだそうだ。

さて、うちはというと子供が産まれたにも関わらずオープン2シーターである。やったことといえば、2シーターのレース仕様車を売ったことくらいだ。エアコンもカーステもなく、バケットシート2脚入った硬派なくるま。硬派とともに、高価でもあったな。

本日初めて乳児と奥様と3人で電車でおでかけ。むむむ、これはいかんですぞ。
子供が寝ている間はなんてことなかったのだが、帰りが問題。問題点は2点

1)おむつがえ
2)授乳

最近の女性トイレには、おむつがえ用の台がついているというので、それでOK。問題は授乳だ。授乳といえば、以前(ってどれくらいの以前だろう)は公衆の面前でも、一般的に行われたものだと思うのだが、現代はそういうものではない(よね?)。それだけに授乳室を探すのが大変だ。

配慮の行き届いたデパートでは上記2つがあるというが、移動のための駅などには1)はあっても、2)は一般的ではないようだ。

子供が大人しくしてればいいのだが、おむつがぬれればなくし、腹がへってもなく。おむつを換えにトイレにいけば、その分時間がかかって電車には乗り遅れ移動時間は長くなり、長くなれば腹がへってなく。ああ、悪循環。

そんなとき、マイカーがあれば!!

マイカーさえあれば、おむつ換えも授乳もパーソナルスペースである車内で出来るじゃないか!マイカー万歳、マイカー天国!!

なるほど、この論理でいけばフィットやマーチ、ビッツといったコンパクトカーで十分ことたりる。そうして街にはマイカーが溢れるのであった。

しかしここで気をつけたいのが、車であることの制約だ。車で移動する場合、逆に行く場所が限られないか。駐車場の問題である。車の場合、駐車場が確保された店舗にしかいけない。そう、それは郊外型店舗である。ホームセンターやファミレスなどになってくる。もちろん一般的なデパートも駐車場はあるのだが、立体駐車場や近隣の契約駐車場となっていて、趣を異にする。

実は以前から気になっていたのが、郊外型店舗におけるお客の振る舞いである。特に子供の振る舞いが傍若無人な点が気になる。つまり他の人への配慮がない。まるで「迷惑」という基準がないかのよう。子供が子供なら親も親という点も多々あり、はっきりいって、あんまりそういうところに混じりたくないなーというのが正直なところ。

この現象の原因がマイカーにあるのではないかと。つまり

personal spaceと public spaceの境界領域の問題

ととらえる。マイカーは名前のとおり「マイ」、自分のものである。その空間はpersonal(ここでは世帯を複合個人としてとらえる)なものである。家の中は当然personal。家からマイカーへ、そして店舗の駐車場まではずっとpersonal spaceなのである。ドアから出た瞬間に

ここはpublic spaceだから、大人しくしなさい!

といったって、transitionとなるべき猶予や儀式がない。区別がつかないのだ。

その点、歩き+電車の場合はtransitionとなる猶予と儀式とがある。それは歩く時間や電車の待ち時間であり、電車の切符を買い、改札をくぐるという行為である。それら行為を通して、ゆっくりとpublic spaceへと順応していくのだ。

社会性を養うためにも、公共交通機関は利用すべきだと認識をあらたにした。
しかし、おしめがえの台と授乳室は各駅に用意してほしいものだ。