まさかこんな形で戦争に突入するとは思いませんでしたが、実質その状態です。何がって、現在のCOVID-19との戦いです。見えないウイルスとの戦い。
戦争とはその国民性が如実に出るよくもわるくもいい機会。太平洋戦争時、陸軍と海軍はいがみあっていてその合間に米軍と戦っていたとの逸話もあるくらいですが、日本はまさにそんな状態。政府が悪い、東京都が悪い、と対応を非難するメディアと国民。いや、いまそんな場合じゃないでしょう。戦うべき相手はウイルスですよ。
緒戦から撤退戦
太平洋戦争時、宣戦布告とほぼ同時にパールハーバーを攻撃、緒戦を制した(と一般的には思われる)日本軍ですが、戦争とは終結までが戦争。緒戦の勝敗など大した話ではありません。
ウイルス戦はフェイズがいくつかあり、水際対策のphase-1(WHOフェーズ4)、蔓延を防ぐphase-2(WHOフェーズ5)、爆発的増加となるphase-3(WHOフェーズ6)となって今はphase-2から3への移行期です。
WHOフェーズ参考)厚生労働省:健康:結核・感染症に関する情報
日本は諸外国と比較しその患者数や死亡者数からphase-1、phase-2は比較的善戦したと思われます。ウイルス戦が面倒なのは市民全員が多かれ少なかれ巻き込まれる総力戦です。ゾンビと同じく感染者が感染者を増やすという構造なので、指数関数的に増加するのが特徴。その中で一定の割合で死亡していくわけですが、その割合は約1%。これは医療体制が通常時の場合で手厚い看護の中なのですが、医療崩壊して看護されないとその割合は数パーセントから10%前後まで増加していくのは致し方ないところ。
今はその医療崩壊をおこさずに患者数を制御しつつ、ウイルスを壊滅させる特効薬を開発する時間を稼ぐ段階です。まさに戦争。
この時間稼ぎは撤退戦そのもので、ウイルスの侵攻を足止めしている間にも犠牲者が出るのは仕方ない。なぜならここを突破されたら一気にphase-3の爆発的増加、いわゆるオーバーシュートという段階に入りもはや都市壊滅レベルまでいってしまうからです。
半年?1年?
それではその時間稼ぎはいつまでしなければならないのか。今は呑気に2週間は自粛、とか言っていますがそんなレベルではこの戦争に負けます。
最悪のシナリオを描いて、特効薬が開発、製造するまでに1年から1年半と想定してスケジュールすると、学校閉鎖や都市ロックダウンとか色々言っていますが、もうこの1年は捨てなきゃならない期間と思います。学校はもう一律1年閉鎖してもいいんじゃないですか?
1年休業しても大丈夫な業態だけが生き残れる。もうそういう覚悟が必要です。経済も大事ですが、一番大事なのは命です。命があればめっけもん、なんとでもなります。
個人でできること
人から人へ感染する、このべき乗の拡大を抑えるためには接触人数を下げる、接触機会を減らすことが有効です。だから「3密」を避けようという話です。
家から出ないではなく、人がいるところにはいかない、でいいです。
人と会う場合は屋外、マスクをして、距離を保つ。握手など肉体的接触はしない。
行動規範としてもうつらないだけではなく、自分がすでに感染者と仮定して他の人に移さない努力をすること。半分隔離生活状態がよいです。自宅療養モード。
ここで強いのがひきこもり、自宅警備員経験者。単身生活者。
日用品の購入はネットで行い、基本家から出ない。
家族でできること
一番厄介なのは家族で暮らしているひと。特にやんちゃな子供がいると家の中で過ごすのは困難。それでも公園など屋外であれば特に問題ないでしょう。むしろハイキングや登山に連れ出すのもいいかもしれません(もちろん移動は自家用車で)。
日常生活では在宅勤務が当たり前になってきて、むしろ家庭内でどうやって仕事をすべきか、いままでいなかった旦那が家にいてストレスフルな奥様といった、逆に家庭内に密集することで起きる新たな問題が発生します。
そのためじゃあ外の喫茶店やWeWorkみたいなリモートオフィスだとなるとまた3密の問題がでるのでダメですね。
そこで簡単な書斎化を提案。机とでかめのモニターを2枚を買ってきてこれをついたて替わりにしてコの字型で壁面に設置します。つまり壁を背にして座るのですが、こうするとリモート会議でカメラをONにしても壁しか映らないので、子供が横切ったりすることはないし、散らかった部屋もうつりません。
そしてモニター横から部屋が見渡せるので子供や家族が何やっているかも見えるし、コミュニケーションも図りやすいです。ようはキッチンと同じで、対面型、アイランド型に近い構成ですね。
ウイルス戦のその先に
この出口の見えない戦いが1年以上続くこと、そしてこれまでの常識が通用しない新しい生活様式になること。多くの業種でオフィスが不要、通勤が不要でもなんとでもなるという時代へ変化します。
なぜそう言えるのか? 実は私がそうだからです。10年前に会社員をやめてからはリモートワークが中心となり出勤がなくなりました。
1年前に設立した会社(スタートアップ)は社員ゼロ、オフィスレスで活動中。拠点はいくつかありますがテンポラリーなもので、常置型ではありません。必要なときに必要な場所で必要な人員が働く。会議はすべてzoom、連絡はslackとmessenger。これで1年前何もなかったのが、1年後にはProof of Conceptが完成しています。
もちろんスタートアップだからというのもありますが、大企業だからできないものではありません。むしろ体力に余力がある大企業だからこそ簡単にできると思うのですが、慣性が強すぎて変化を恐れるのでしょう。だからこの戦後の世界はパラダイムシフトして働き方を大きくかえるチャンスです。いや今がもうチャンス。