可夢偉、史上ベストグリッド 7位からのスタート! しかもそのグリッドはというと…
なんと我々の席の目の前!
なんというステキな幸運でしょう。これほど間近にドライバーを感じたことありませんよ。
この角度、いつもグランドスタンドをバックにドライバーズインタビューありますが、そんな様子が丸わかり。
F1マシンに乗り込みいよいよスタートです。
スタート直前!
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この後スタートしたのですが、すでに皆さんご存じのとおり。
【STINGER】小林可夢偉 レース後・会見【日本GP(日)】 >> F1 NEWS|ボイスレコーダー||STINGER / 独自の視点でF1ニュースを発信----今日のスタートは?
可夢偉:スタートは、あまりにも(タイヤが)グリップしすぎて。エンジン、かけて・・・。(注:スタート時にタイヤ温度などのデータに応じてエンジン出力を制御する。ドライバーはチームの指示でモードを選んでクラッチをつなぐだけだが、指定されたモードでは、タイヤ温度が想定よりも下がらなかったため、予想以上にグリップして、エンジンがストールしそうになった)まあ、やっぱりうまく行かない一日で・・・。
練習走行などであんなにスタート練習していたのに、本番になるとこうもうまくいかないものなのですね。
昔ならいざしらず、今のF1はボタンで発進するわけなのでドライバーの腕は関係なさそう。とにかく見事なエンジンストールで5台にゴボウ抜かれ、それでもクラッシュしないんだからF1ドライバーはさすがです。ちなみにその前のポルシェレースではスタート直後に接触、2台が大クラッシュしていました。
レースはDRSが下馬評とは異なり意外にも効いて1コーナーの飛び込みでかなりのオーバーテイクがありました。われらが可夢偉はヘアピンで1台を抜いたものの、あとは我慢のレース。とにかくF1ラップタイミングアプリで見ていてもペースが悪いのは明らか、ほかのマシンの1~2秒落ち、ひどいときは3秒落ちで周回しているのでそのポジションをキープできないのも仕方ないですね。
(スタートの)タイヤ選択のミスと、セーフティーカーが入った時のタイミングとでレースが台無しに。まあ後からはなんとでもいえるのですが。
レース自体はベッテルとバトンの戦いなど見どころがたくさん、ハミルトンはまたマッサとぶつかるし、このぶつかったことなどでセーフティーカーが入ったりと浅からぬ因果関係はありますね。
盛り上がりという点では去年のオーバーテイクショーにはならず、結果も残念だったのですがやっぱり生のF1は面白い!
空気感がいいんですよね、雰囲気、atomosphere。気ですよ、気。
「上を向いてあるこう」を10万人で大合唱したときも、君が代を歌うときにも感じる、特別な雰囲気。特に今年、日本が大変な天災に見舞われて、多くの人が被災したこと。その厳しい現実に直面した日本人に、F1という世界的なモータースポーツを介して世界中の人から多くの温かいサポートを受けていること。一部心ない報道や、揶揄があったとしても、純粋な気持ちはそれを乗り越えて伝わってきます。
日本人である可夢偉 は当然この状況を厳しく受け止めているのですが、外国人であるベッテルやバトンにしても、特別な思いをヘルメットのカラーリングにあらわしてくれていたわけです。F1界のドン、バーニー・エクレストン氏はその権力っぷりから独裁者的ヒールとして恐れられていますが、「バーニー・シート」で300組無料ご招待したり、「バーニー・パペット」のライセンス料を寄付に回してくれといったりと、特別な気遣いをしています。
鈴鹿でF1が開催されるというのは普段から特別ですが、普段以上に特別な年だったのではないでしょうか。
そんな特別な年に家族揃って鈴鹿を堪能できたのは、とてもいい思い出となりました。
「ねー、どうして歌(上を向いて歩こう)をみんなで歌うの?」
と子供に尋ねられたとき、その説明で言葉がつまりました。多くの方が亡くなり、家族や親類縁者を亡くした方も多くいます。悲しみは大きいですが、ずっと悲しんでいるわけにいかないのです。それが「生きる」ということであり、残されたものが果たすべき義務といってもいいのではないでしょうか。
たかがモータースポーツ、といわれるかもしれません。しかしヨーロッパ各国を中心に全世界で構成されるF1という文化において、日本は一人じゃない、世界の温かい気持ちに支援されているということを改めて感じることができた鈴鹿でした。
本当に特別な3日間となったと思います。皆さん、どうもありがとう。