話題の「アメーバなう」はTwitterと違い、成功する予感

今話題のアメーバなう。Twitterのパクリと言われていますけど、本当にそうなのでしょうか。ということで早速登録してやってみました。

やってみると確かに機能的なものは非常によく似ていますが、思想的なものはまったく異なります。その点でいえばパクリではなくまったく別物。じゃあ何が違うかというと、、、

「アメーバなう」のビジネスモデルは広告

この一点につきるかと。アメーバの運営会社はサイバーエージェント、いわずと知れたインターネット広告の大手企業です。インターネット広告は色々な指標がありますが、インプレッションを増やすという点においてはPVを大きくするのは一つの手段です。

「アメーバなう」はそもそもこのPVを増やすための施策ともとれます。

「アメーバなう」は最初携帯版をリリースして、数日たってからPC版をリリースしました。携帯版は機能は限定的で、なんと知人、友人をフォローできないという仕組。公式アカウントかタレントしかフォローできなかったのです。

数日しか違わないのですから、同時に全機能をリリースすればよかったと思いがちですが、やはりここでも狙いは明らかです。つまりタレントブログのPVの向上施策、そしてタレントを自然にフォローさせることです。

タレントブログのPVが多い事は非常に知られており、PVの総計はグーグルを上回るほど。

ですよねー>TABLOG「PVの定義、ぶっちゃけ無い!」: 切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man's Blog

 実に力強い媒体資料。Birthobblues執筆者kingcurtis氏曰く、アメーバついにグーグル超え。国内の2月グーグルがネットレイティングス67億PVに比べて、アメーバが73億PVですと。凄いですね。あー、凄い凄い。あーあ。

TABLOG:アメブロPV水増し?議論にみるPVの定義、ぶっちゃけ無い!から - livedoor Blog(ブログ)

そしてタレントを使ったクチコミネットワーク、TMN(TM Networkじゃありません)を運営していますが、このクチコミ力をアップさせる施策として考えるとタレントをフォローさせるのは非常に効果的な手段です。

株式会社TMN - TOPページ -

当社ではブログをはじめとする著名人メディアに特化したマーケティング会社として株式会社TMNを設立し、著名人メディアを活用したプロモーションの提案、広告商品の販売を行ってまいります。「Ameba」の著名人ブロガーが商品・サービスを体験した感想をブログに書く「記事マッチ」の販売のほか、「Ameba」以外の著名人メディアとの提携・広告商品の開発を行い、広告主や広告代理店にむけて販売いたします。

かたや本家Twitterのビジネスモデルは未だ不透明。

ビジネスモデルを真剣に模索し始めたTwitter:Speed Feed:ITmedia オルタナティブ・ブログ

Twitterが重い腰を上げ、本気で収益源の確保に動き始めているようにみえる。
矢継ぎ早にReTweet(つぶやきの引用による投稿)機能や位置情報付き投稿のサポート等の計画を発表していることも、その現れだ。

彼らが収益を上げられる可能性が一番あると思われている分野は、Twitter Searchによるリアルタイム検索である。
リアルタイム検索とは、現在起きている(実際にはほんの数秒前におきた)事件を検索するということだ。

別の見方をするとサイバーエージェントと異なり、「広告モデル」を採用するつもりがないことだけははっきりと伝わってきます。「広告モデル」は手堅いですが、まだtwitterレベルのPV、そしてCTR等の効果に疑念が残るからでしょう。RSS広告が苦戦しているのと共通します。

また明確なビジネスモデルを打ち出していないため、「有料化」というキーワードだけ一人歩きして、誤解を生む事態にもなっています。

つぶやきを有料コンテンツに——Twitterに課金システム、来年1月から - ITmedia プロフェッショナル モバイル

11月25日、mobidec2009で講演を行ったDGモバイル取締役COOの杉建一氏が、Twitterのビジネスモデルに言及。2010年1月にも、Twitter向けに課金プラットフォームを提供する予定であることを明らかにした。  

サービスとしては「有料つぶやきサービス」と「コンテンツ課金」を提供する予定。有料つぶやきサービスは、ユーザーが既存のアカウントを月額課金方式にできるようにするもので、課金方式は100円〜1000円の月額課金と100円〜1000円の個別課金から選べる。

Twitter 関連サービスに関する一部報道について - Joi Ito's Web - JP

「Twitter Japan」が Twitter 上で有料アカウントサービスを始めるという一部報道がありま すが、こうした事実はありません。日本において Twitter は無償のサービスであり、Twitter 社 や株式会社デジタルガレージが、有料アカウントについて検討したり計画を立てたりしたことはありませ ん。また、Twitter 社と DG は事業パートナーシップを結んでいるものの、ジョイントベンチャーの 設立についての事実がないこともここに改めてご説明します。

本件に関する報道は、DG の子会社である株式会社 DG モバイルが、サードパーティとしての 有料サービスの可能性について誤解を招きかねない説明を行ったことが発端になっています。 DG モバイルの説明は、Twitter 社とデジタルガレージのパートナーシップとは関係ない別個の ものです。

140文字のつぶやきをするtwitterという新しいメディアはまだ未知数なところが多く、例えばフォロワー数を増やす施策に、本家デジタルガレージが意外にも「バナー広告」という旧来の手法をとったことからも明らかです。

Twitterのバナー広告の広告効果は、1日50~200人のフォロワー獲得? : tokuriki.com

まぁ、所詮2つの事例のケースでしかないので参考になるかどうかは分かりませんが。  現状のTwitterのバナー広告は、「1日あたり50人~200人ぐらいのフォロワーを増やす効果がありそう」ということは言えそうです。  

もちろん、その一方で、9月1日に正式に発言し始めたばかりのIntelジャパンの公式Twitterが、特に広告も打たずに2週間であっさり1000フォロワーを突破していたりする、なんていう事例もありますから。

バナー広告はそれはそれで効果があるようですが、一方でバナー広告がなくともフォロワー数を伸ばすことができることが指摘されています。これはTwitterがコミュニケーションを軸にしていて、PVがいくらかといったことよりもフォローやフォロワーとの関わりや「つぶやき内容」が評価されるものだからです。

これらを総合してTwitterと「アメーバなう」を比較すると、単純に「疑似サービス」とはいいにくいというのが感想です。

「アメーバなう」は「アメーバブログ」を補完する一機能となっていて、それは「アメーバブログ」が狙うビジネスモデルを強力にバックアップすることに成功しています。一方でTwitterはそれ自体が主体となっているので、サイバーエージェントのような取り組みができません。

またそもそもタレントブログなどでは内容が他愛もないもので改行が多く、ページ数が多い「アメーバブログ」はそもそもTwitterに近いサービスだったという見方もできます。

AmebaなうとTwitterの関係|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Ameba

一つは、そもそもアメブロの主要コンテンツである芸能人ブログはTwitterの140文字つぶやきと、現状でもほとんど変わらないということ。ページビュー稼ぐために1行毎に行間が数行もあることで見た目を水増ししているにすぎず、きちんと要約してまとめればほとんどのエントリが140文字に収まるはず。

長めのは大体広告宣伝エントリだったりするしな。

なので、わざわざ「なう」もやる意味あんのかな?とか思ってしまう。 あるいは、ぜんぶ「なう」にしろよとか。

この点からもサイバーエージェントが運営する「アメーバなう」はTwitterとは異なる位置づけ、異なる狙いをもち、それは上手く機能しているとみています。

その結果、スタートダッシュにも成功、株価も順調に今年最高を記録しています。

ミニブログ「Amebaなう」PC版の提供を12月10日から開始 モバイル版サービス開始2日間で投稿数20万件突破

ミニブログ「Amebaなう」PC版の提供を12月10日から開始 モバイル版サービス開始2日間で投稿数20万件突破/株式会社サイバーエージェント

(株)サイバーエージェント【4751】の株価、チャート、ニュースをご覧いただけます。

(株)サイバーエージェント【4751】:銘柄情報 - Yahoo!ファイナンス

好き嫌いや賛否両論があるのはこの業界の常ですが、単純にビジネスという観点からみると意外といい線いっているんじゃないですかね。

ただ私はTwitterを使い続けると思います。なんというか、アメーバは馴染めないんですよね、デザインとか使い勝手とか。古い人間だからかな。あとTV見ないから最近のタレントはほとんど知らないし。