Träumen Vinyl von elektrischen Schafen?クルマを持つことも教養の無い証拠だとさえ言っていた。
世代や住環境によって見方が違うのは承知の上ですが、私はこう感じました。
確かに選択肢は増えました。「マイカーを持つ」だけが、自動車に触れあう唯一の方法ではありません。レンタカーでもカーシェアという手もあります。しかしだからといって、マイカーを持つことが無教養、無駄遣いと断定するのは早計です。
経済性比較
トヨタ86を例に、レンタカーとマイカーで比較してみます。
●マイカー
車両購入価格 300万円->60万円/year
保険10万円/year
税金4万円/year
車検15万円/3year->5万円/year
駐車場代12万円/year維持費 91万円/year -> 7.6万円/month
駐車場代を郊外の相場、1万円と設定していますが、これが2万円となれば+1万円という計算です。
ちなみに私の住む八王子の相場は7000円。
同じトヨタ86をレンタカーで毎週末(土日通して)借りることを考えてみます。
●レンタカー
https://rent.toyota.co.jp/rakuraku/car/class/select.aspx?searchKbn=2
24時間まで 16,200円(15,000円)
(24h超過1日ごと)12,420円(11,500円)
週末28,620円 x 4 = 114,480-
あれ? レンタカーが意外とかかることがこれで分かります。経済原理を考えれば実は当然、仕入れたクルマの費用に加え、会社の固定費を上乗せして営業するわけですから、利益を出すために高くなるのは当然なのです。しかも30日間すべて予約で埋まればいいですが、実際の稼働率は100%ではなく、特に高級車やスポーツカーといった車種は稼働率が低くなりがちです。
マイカーよりもレンタカーがお得、というのは月に1、2回しか借りない場合に限ります。
そんなに乗らないからやっぱりレンタカーやカーシェアが経済的。確かにそう言えます。しかしここで大事なことを忘れています、それは運転の習熟度です。
上手になるには運転するしかない
よく考えて下さい、免許をとるときのことを。何十時間も練習してようやく上手になって免許をとったわけです。ハンドルの回し方もろくにできず、S字やクランク、車庫入れに坂道発進、色々苦労したことでしょう。
免許はとれても実地ですぐベテランドライバー並みにスムースに運転できますか?
できるはずがありません。これはスキーなどでも一緒、習熟度は運転時間に比例するのですから。
それが月に1度や2度乗ったからといって、すぐ上手くなるはずがありません。そもそも運転時間も不足だし、間隔がこうもあいてしまってはちっとも上達できません。
運転が上達するには集中的に運転するしかないのです。それをレンタカーでやってみたらどうなるでしょうか、そう、経済性が悪くなるんです。
自動運転技術がすぐ来るから
自動ブレーキ技術が急激に発達したように、自動運転技術もすぐ近くまでやってきています。2020年には実用化する目標で、法整備も進んでいます。だから運転が下手なままでいい、と思っているとしたらそれは考えが甘い。
自動運転ができる自動車が安いわけがないでしょう。
ハイヤー、タクシーやバスやトラックといった業務車両から導入されるに決まっています、なぜなら運転手の人件費を削れる分があるからです。
そう考えると自動運転自動車はタクシーと同じくらいの値段と想定できます。
タクシーで遠出した場合の値段を概算してみましょう。
●タクシー http://www.nihon-kotsu.co.jp/taxi/fare/simulation.html八王子~三崎口
72.2km
21880円 x 2+高速道路代八王子~清里
124.4km
36950円 x 2+高速道路代
あー、ちょっと三崎港へドライブ、美味しい炙り丼でも食べてこようと思ったら往復4万円+高速道路代、雄大な八ヶ岳をみながらサイクリングしようと清里にいくと往復7万円+高速道路代がかかるんです。ちょっと高過ぎ。というかタクシーでいくとこんなにかかるんだと改めてビックリ。
かくしてレンタカーかカーシェアで、速度も出なければ坂道も登らない安い車に、下手くそで未熟なドライバーが長距離を運転していくことになるわけです。疲れるし、危ないし、事故った時の損害を考えると決していい選択ではありません。というかそもそも、そんな思いつきで三崎や清里にいかないし、行こうとも思わないはず。
なぜなら時間調整、予約、借りに行く、返却といった手間も忘れてはいけません。
何かの不都合があって予約変更、キャンセル、キャンセル忘れといったリスクを考えると手間だけではなく、経済的にもリスクがあります。
でもマイカーをもっていれば、思いつきでフラリと行くことができます。つまり自由への切符なのです。
保険代を安くする方法
車両の維持費の中でそれなりの大きさをもつのが任意保険。20等級あるうち7等級(20%割増)からスタート、1年ごとに1等級あがっていき20等級までいけば60%割引になります。つまり半額に。
しかしこれには順調にいっても13年かかるのですから、先が長いです。ところがはじめないと、いつまでたってもはじまりません。その意味でもマイカーをもち保険に入るのは大事なのです。
ボロいクルマで練習する
最初、保険代の面でも安い車を買うことをオススメします。というのも車両保険に入る必要がないくらいの安いもの、値段でいえば20万円~50万円程度の中古車で十分。壊れたら捨てる、くらいの感覚でいいでしょう。そのボロ車で徹底的に走りこみます。走りこみすることで運転技術を向上させ、安全に遠出できるようになることでしょう。
そうすると自由の切符はもはや手に入れたも同然。
予約する必要もなく、何時でもキーをひねればどこへでも行くことができるんです。それがマイカーのいいところ。
運転技術はお金では買えません。しかしクルマはお金を出せば買えます。そして練習はとにかく時間と走行距離が必要なんです。それをレンタカーやカーシェアでやるのは経済的とはいいがたいし、自由度がとにかくありません。
運転技術がいらない、運転手を雇えばいいというのであればハイヤーやタクシーがいいでしょうが、その場合はより経済的に割に合いません。結局電車移動、ということになってしまいます。
でもこれだけアメリカ化した日本において、自動車がないというのは相当不便です。スマホの画面だけじゃ、本物の炙り丼は食べられません。
なんでもかんでもコスパで計るのは最適ではない
結局「コスパ最強」といって、コスト=出費とパフォーマンス=得られる経験を算数するのには限界があります。目に見えないコストは上乗せされない、例えば予約、調整の手間は入っていませんし、パフォーマンスも運転の上手下手も考慮していません。免許とりたて、練習不足なドライバーの不慣れな運転で炙り丼食べにいくのは、辿り着くだけで精いっぱい、考えるだけで憂鬱な気分とパフォーマンス減点です。
そう考えるとあの若葉マークって合理的な話で、あれは1年の猶予をあげるからその間に実地で練習して、走りこんで上手くなれよ、それまでは大目にみるから、というお上の恩情なのです。
その期間に走らず、ペーパードライバーとなって若葉マークはらずにあっちによろよろ、こっちにフラフラする「わ」ナンバーの車を見るたびに、走る危険物だなあ、と思われるのも当然。
免許とるなら、家の車でも友達の車でもなんでもいいから路上で走りこみ。早くマイカーをもって保険に入るのが維持費を抑えるこつ。またなんでもかんでも都心に住むのも考えもの、ちょっと郊外に出れば家賃に駐車場代を安くすることができます。
オッサンが郊外から頑張って通勤するんだから、若者が都内に住んで「クルマもてねーわー」とか言われても説得力ありませんよ。オッサンだって都心に住んでたらクルマもてないよ。子供の教育費に生命保険代、すごい負担なんだから。
と感じる今日この頃であります。