富野監督とスペースコロニーとnew type論と

最近子供にMS(モビルスーツ)の表を見せられて、

「どのガンダムが好きーーー!?」

と聞かれます。並べてあるのをみると、ガンダムMk-II, 百式、サイコガンダムなどなどがあるわけですが、どうしても「ガンダム(RX-78-2)」を選んでしまいます。ところでそのモビルスーツの表はというと、以下のPOPUPAR Scienece 2005年9月号に載っているものです。

POPULAR science (ポピュラーサイエンス) 2005年 09月号

POPULAR Scienceはその名のとおりサイエンス雑誌なわけですけど、この号ではガンダムをサイエンスの視点から真面目に実現性や、ガンダムが工学者に与えた影響などをとりあげてます。

その中で富野監督はスペースコロニーの実現性、いや非現実性を訴えています。どんなにどうシミュレートしても第二の故郷には成り得ない、というのがガンダムシリーズを通しての結論でした。

その結論を元にしてこちらの議論を聞くとより理解が深まります。

ガンダムの富野監督が東大でスペースコロニーをぶった切る : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン), ガジェット情報満載ブログ

「スペースコロニーなんて作れるはずがない。1000年から2000年住める構造物にならない。作れるもんなら作ってみてよ」

東大で行われた工学博士との議論は予め打ち合わせがあって、ということが明かされていますから、このストーリーラインは事前に決まっていたと思います。その上で時には過激に、そして逆説的に工学をぶったぎって来るのですが、おそらくすべては演出。富野監督がアクターとしてトミノカントクを振る舞っていたと考えるのが妥当でしょう。その上で新しい世代、new typeにエールを送っています。

「日本は文化を列島の上にのせてきた人々だから、これからも新しいグローバルスタンダードやアートを作って、世界に発信していける」

「世界に発信するために英語を使え。new typeには語学力が必要なんだ」

先のPOPULAR Scienceでは諦めずに人類の叡智を結集して、現状を打破せよ、と言っていました。そしてそれが出来るのは今の世代(old type)ではなく、新しい世代(new type)だと。

スペースコロニーは実現できないけど、人類の変革の時期は迫っているのかも知れませんね。

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