1年で20万台も売れた新型プリウスのブレーキが効かなくなるという不具合が発覚しました。そこで不具合内容を整理してみます。
トヨタの大量リコール問題 - Yahoo!ニュース 2月4日17時7分配信 時事通信不具合は、雪道など滑りやすい路面でブレーキを踏んでも車輪のロックを防ぎ車体をコントロールするアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)が作動した際、ブレーキが瞬間的に利かなくなる事態を引き起こす。同社は「ブレーキの利き具合の感覚の問題」としているが、安全面での不安が消費者に広がっているため、すべての車を対象に対策を取る必要があると判断した。
<トヨタ>プリウスブレーキ問題…ダメージ回避に躍起 (毎日新聞社) | エキサイトニュース 2010年2月4日 21時57分プリウスはガソリンエンジンと電動モーターを併用して走るHV。通常のガソリン車に搭載されている油圧ブレーキと、減速時のエネルギーを電気に変えて蓄電する「回生ブレーキ」を採用。電子制御でこの二つのブレーキを調整し、燃費を向上させている。
凍結した路面などでは、車体の横滑りを防ぐため、ブレーキの解除と作動を瞬間的に繰り返すABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が起動し、油圧ブレーキのみが働く。
会見した横山裕行常務(品質保証担当)は、今回のプリウスのブレーキ問題について、このABSと油圧ブレーキとの兼ね合いが問題と指摘。プリウスの場合、ABS起動後、解除された油圧ブレーキが再び作動するまでの時間がガソリン車より長くかかり、これが「運転者にブレーキが利かなくなったと違和感を持たせる」と説明した。ただ「ブレーキをもう一度踏み込めば、きちんと止まれる」といい、欠陥の認識はないことを示した。
売れ筋で最先端技術の粋である新型プリウスで発生したブレーキが効かない不具合ですが、逆にこれは最先端であるハイブリッドカーであるからこそ発生した不具合。それまでのプリウスがどうだったのか不明ですが、回生ブレーキと油圧ブレーキとABSの連携に問題があるよう。
発生する状況もグリップの良い乾燥路ではなく、ぬれた路面、マンホールの上、雪、凍結路などスリップしやすい路面、つまりはABSが作動する領域に限られます。
ABSはアンチロックブレーキシステム、つまりブレーキのロックを防ぐシステム。滑りやすい路面でABSが作動した場合、通常の油圧ブレーキは「油圧を抜いて戻す」ということを1/100秒単位で行うといわれています。ABSがない時代はこの作業を人間がやらなければならず、「ポンピングブレーキ」と呼び同じくブレーキを踏んだり、抜いたりを繰り返してロックを防いでいました。
今回の不具合は回生ブレーキが曲者です。新型プリウスで発電力をものすごく高めたために回生ブレーキの威力もそれまでよりも大きく、回生ブレーキでタイヤがロックしてしまうのでしょう。
そしてABSが作動すると回生ブレーキも油圧ブレーキも効かなくなるんでしょうね。そして油圧ブレーキの圧が高まるまで、なんと1秒もかかるというソフトウェアのせいで、低速、低ミュー路でドカンドカン追突しているのだと思われます。
<トヨタ>プリウスブレーキ問題…ダメージ回避に躍起 (毎日新聞社) | エキサイトニュースプリウスのブレーキの苦情は昨秋からトヨタに寄せられていた。このため、年明け以降製造する車両はABS起動後に油圧ブレーキが作動するまでの時間を短縮するシステムの設定を変更したが、この事実を公表しなかった。
これを見る限り完全にソフトウェアの制御の問題なので、今は改善されていることでしょう。1秒間もブレーキ圧が戻ってこないのはちょっと長すぎですからね。
ただ昔のABSも同じような問題はあって、砂利道ではロックするABSなしの方が制動距離が短くなるなんてこともありました。今は制御がキメ細かく、横Gまで感知して車両安定制御と連動するなど高性能に進歩しています。
システムを過信せず、特に滑りやすい路面では車間距離をあけるようにしたいものですね。
ほら宇宙戦艦ヤマトでも、最新鋭艦アンドロメダの拡散波動砲ではダメで、旧式艦のヤマトの波動砲が効いたという例もあったじゃないですか。え、違う?ですよね。
ところでこのソフトウェア更新すると、油圧ブレーキがエネルギーを捨てるから燃費が悪くなると思うんですよね、どうなんでしょう。
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