軽自動車は本当に横転しやすいのか?⇒ はい。RVに1BOX、ミニバンも。


昔と違い、衝突安全性の「試験」ではかなり優秀な成績になってきた軽自動車。小型乗用車と遜色ないくらいですが、それでも実際の事故ではどうなのでしょう。

▼関連リンク⇒あんなに背が高くなくてもいいのに。 ([の] のまのしわざ)

衝突安全性の「試験」はまっすぐ前と後ろ、そして真横からぶつけますが、実際の事故で理想的にまっすぐか90度で当たることはまずないでしょう。そうなるとこの「試験」が本当に実効的なのかという疑問が残ります。

そして最近はやりの背高軽自動車。室内空間が広いですが重心が高く、横転の危険性は高まっています。なにせ鉄で作られた長くて重いルーフが高く高くなっているのですから。横転の危険性について、調べてみました。

ITARDA(財団法人 交通事故総合分析センター)インフォーメーション 2006 No.65 特集 車両の横転事故 [pdf]

単独事故で横転が多く発生していたのは、軽乗用、RV(SUV)、普通貨物、大型貨物などでした。また、車両相互事故で横転が多く発生していたのは軽乗用、1BOX&ミニ版、RV(SUV)、軽貨物でした。

これは、車高やトレッド、ホイールベース、車両重量など車両特性が影響していると推定されますが、同時にユーザの使い方や、横風あるいは動物の飛び出しなど予期していない事象に対応する運転技量、道路環境などの要因も多く含まれていると考えられます。

この統計をみる限り、単独事故ではセダンやスポーツカー(16%~17%)と比べて軽自動車(35%)と2倍以上、車両相互ではセダンやスポーツカー(1.4%)に対し軽自動車(6.5%)と4倍以上横転しやすいといっていいでしょう。

ただしこの傾向は貨物を除くとRV(SUV)も同様で、車両相互ではRV(SUV)に加え1BOX&ミニバンが軽自動車よりも横転しやすく、8.5%以上となってますからセダン・スポーツに比べると6倍です...

横転が何故危険かというと、レポートをぜひ見てほしいのですが、重大事故につながりやすいことです。

車両が横転した場合、シートベルト非着用乗員は、座席から放り出されて天井に衝突したり、車外へ放出されて頭部に重大な傷害を被ることなどで死亡率が高くなっています

[車両の横転事故] No.65 p.11

横転なんて、そんなにしないでしょ、と思ったらそれがそうでもないのです。

(1)車両横転事故は少なくはない

事故例調査データ(ミクロデータ)では、車両単独事故の1/5、車両相互事故の1/15が車両横転を伴っていました。

単独事故の5台に1台が横転、というのはかなり多い数値です。

では横転しないためにはどうしたらいいのでしょう。

(2)車両を不安定な状態にしない

単独事故では軽乗用、RV(SUV)、普通貨物、大型貨物、車両相互では、軽乗用、軽貨物、
RV(SUV)、1 BOX&ミニバンなどで車両横転が多く見られます。

これは、車両の特性と同時に運転者の技量や使い方、道路環境の要因なども影響していると考えられます。

例えば、無謀な運転による急加速や急旋回、蛇行運転などで車両が不安定になり結果として横転する事故もあります。また、過積載や荷崩れ、車両整備不良によるタイヤバーストなどがきっかけで車両が不安定になり横転する事故もありました。

車両横転事故を防止するには、車両特性を十分に理解することに加えて、道路状態や横風などの天候、路面状態、乗員や積荷による車両重心の高さの変化など状況に応じたより慎重な運転が重要です。

自動車の物理的性能の問題ももちろんありますが、ドライバーの運転技量にも言及されています。あえていうならば、これらのクルマを運転する人はクルマの運動性能や物理的特性の理解、天候変化への適応力が足りていないというふうにも読めます。

ラジコンをやっていて思うのは、あんな模型であっても駆動方式や重心によって運転特性が変わることです。重心が高いラジコンはいとも簡単に横転しますから、それに合わせた運転をしなければなりません。それが実車では命がかかってますからね、そりゃ当然気をつけないと。

そして重要なのはシートベルトの装着。車外放出のみならず、天井への衝突が重傷、死亡につながるおそれがあります。全席シートベルトは必須です。

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横転しやすいです。