ミニ四駆小説「流しのミニヨン・レーサー北川」:第2話 スピードレース #mini4wd

前回までのあらすじ

流しのミニヨン・レーサー北川は久々に新橋に来てみたところ、賭けレースのトラブルに巻き込まれる。イカサママシンを壊そうという大男に対し、マシンを壊すことが許せない北川。二人はミニ四駆で勝負することになる。

ミニ四駆小説「流しのミニヨン・レーサー北川」:第1話 新橋の夜 #mini4wd ([の] のまのしわざ)

カランカラーン

いきつけのミニ四駆飲み屋ののれんをくぐる。普段とは違う雰囲気だ、それもそのはず、この大男が騒ぎを起こしたからみんな様子を伺っているのだ。普段は気さくなマスターも、今日ばかりは奥で無口に皿を磨いている。

マスター「き、北川さん!? ひ、久しぶりですね。最近調子はどうですか」

北川「どうもこうもないよ、この大男と勝負することになってしまってね。ところでマスター、最近よくない噂を聞いたけど、マスターこそ調子はどうだい」

マスター「え、ええ、まあぼちぼちですよ、ぼちぼち・・・」

おおかたお金に困って賭けレースに手を出したのだろう。胴元にもいくらかお金が転がり込む仕組みだし、最近のミニ四駆飲み屋の「飲み」はビックリマンチョコのチョコのようなものだからな、賭けレースが目的化しているところも多いのだ。