ヤマタノオロチ伝説
旧甲州古道、笹子峠を越えた先はV字の渓谷となっており大雨でいとも簡単に土石流が発生することが伝わってくる。谷は削られ、コンクリはもちろん、古くは江戸時代の石積みも散見されるがものの見事に押し流されている。そこに平成の大きなコンクリダムが作られる。しかしそれも数十年で満杯になるか、破壊されるのだろう、それほどに日本の山々は生きているのだ。
そこで思い出したのがヤマタノオロチ伝説。出雲の近く、船通山に伝わるこの伝説は実際には8つに分かれる暴れ川のことで河川の氾濫下流域の水田地帯に大きな被害を与えていた。嫁にめとるというクシナダヒメ(奇稲田姫)はまさに水田を表す名前である。
なので酒で酔わせというのは、酒=ごちそう、資本を使って人々を雇い垣根(堤)、門(水門)、桟敷(一段高くした土地)を作ったという事でまさしく治水工事を行ったというのが妥当。
そしてヤマタノオロチの腹は常に赤い血を流しているというが、これはこの地方の山腹ではたたら製鉄を行っており昼夜を問わず炭と砂鉄を燃やしていたので夜空を赤く染め、川に流れる砂鉄は赤さびとなってどす黒い血となり下流域に流れ込み、公害を引き起こしたことを指す。実際に船通山周辺ではたたら製鉄による公害訴訟が江戸時代にも起きている。
なのでヤマタノオロチから出てきたという草薙の剣は、この地方の純度の高いたたら製鉄による剣ということがわかる。
ということを考えながら歩いていたら、出雲いきたくなった。サンライズ瀬戸は乗ったことあるけど出雲はまだ。だいたい3月末になるとサンライズ乗りたくなるのは偶然の一致か?
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