これからの教育は交通教育。必要になる運転能力と整備能力。

STEM(ステム)だ英語だ、色々教育については不確実な将来に備えるためにみんな躍起です。その中で私が提唱したいのが「交通教育」。

忘れ去られた交通教育

BOY MEETS GIRL

よろしくBOY MEETS MOTORCYCLEな時代がありました。別に教育などせずとも自由を謳歌できるモーターサイクルは若者の心に刺さり、全員が全員憧れて免許をとってバイクで走りだしたものです。ところがそれで起きたのが交通事故や暴走族問題。本来は正しく指導すべき大人たち、社会、警察、学校がよってたかって「危険から遠ざければ安全」という思考停止の施策、3ナイ運動を展開したもんだからさあ大変。

数十年たって出来上がったのは危険を察知する能力がなくなり、無法地帯の自転車族だけとなりましたとさ。

交通ルール無視の自転車族の話は今回は置いとくとして、レンタカー、カーシェア、MaaSの発達と自動車免許取得のハードルの高さ、つまり免許とるだけで30万円以上かかることや、経済の冷え込みや将来の不透明さから若者の免許離れが進みました。

若者は「今時必要なときに借りればいいし、なんなら免許なくてもMaaSがあるから大丈夫」と言います。

昨年まではそれもまあアリでした。が今年からはもう違います。新型コロナウイルスです。

COVID-19直撃の公共交通機関

私はあまり気にしませんが、世の中にはCOVID-19蔓延で電車やバスなどの公共交通機関を嫌がるひとが増えました。実際タクシー、バス運転手や料金所の係員に初期の患者が多かったですしなるべくならリスクを避けたいのも理解できます。そうなるともはやカーシェアとかMaaSとかあり得ないないわけですよ。誰が使ったか分からない、消毒されているか保証されてないものに触れたりするのは、電車、バスといった公共交通機関以上にリスクが高くなってしまいました。

そうすると頼れるのはマイカー、マイバイクのみ。

そう、他人に使われない安心できる交通機関はプライベートなものだけなのです。百歩譲って消毒が行き届いたレンタカーですが、いちいち貸し借りするのは面倒だし費用もばかになりません。

免許はもはや必須能力

STEMだ英語だと教育に力を入れる家庭は多いことでしょう。しかし交通教育はどうでしょうか? 免許は?
私はここであえていいたい、まず自動車運転免許は必須だと。さらに言えばマニュアルも必須、二輪も当然とるべきだと声を大にしていいたい。

というのはアフターコロナのニューノーマルの生活様式において、交通機関の選択性は重要でありその時に免許がないから選べないというのは非常に不自由を強いられると感じるからです。

特に自動二輪は災害時の機動性、燃費の良さから行動力が段違いです。これも当然オートマではなく普通のミッションが運転できなければなりません。

メンテ能力も必要

自動車免許の時に、ボンネットをあけてオイルやラジエータのことを勉強したり、スペアタイヤを交換するといったことをやりますが、すっかり形骸化しています。しかしやはり基本メンテは自分でできるべき。災害時に対応できるのはもちろん、常日頃のメンテができれば維持費も安くなります。車検も自分でやるとびっくりするほど安いし、手軽なことに気づきます。

自動車の重整備は流石に駐車場では厳しいですが、二輪であれば比較的自分ひとりでほとんどなんでもできます。できるようになりましょう。

なぜ16歳から免許はとれるのか?

さて二輪免許は16歳からとれることになっています。これはなぜか、考えたことがありますか? 義務教育は中三、15歳までです。つまり16歳からは一人の大人として仕事を行う、仕事で必要なスキルとして免許があるのです。新聞配達がそうでしょう、中学生の苦学生が自転車だとすれば、卒業したらスーパーカブで配達ができるのです。

自分の力で自由に行きたいところにいける。

これが重要な能力だということは、仕事をすれば分かります。何かあった時に即応できる臨機応変さ、機動性。公共交通機関では限界があるんです。特に荷物を運ばなければならない場面。

いつまで乳母に頼っているのか?

「乳母ー、クルマで連れてって~」

あるとき仕事で沖縄出張がありました。那覇から離れた場所で、電車のない那覇では公共交通機関を使うとしたらバスを乗りつぐしかありません。身軽ならいいのですが、機材も運ばなければなりません。普通に考えたらレンタカーを借りるのですが、免許を持っていない若者、ペーパードライバーの若者というペアがいてどうにも運転できないというのです。

仕事なので仕方なく我々がケアして彼らの到着を待ち、若者をのせて目的地に向かったわけですが・・・おいこらちょっと違わないか?

我々はお前の乳母でもUberでもない、むしろ業務の依頼主であるこっちが後席でふんぞりかえって、おい君、どこそこまで頼むよ、という立場のはずですよ。上下関係もなく、フラットな組織なのでそういう昭和なことはないのですが、さすがにこれはまずいと思うわけです。一人立ちできてない。一人立ちに必要な能力、それが運転能力。

なのでSTEMも英語もいいですが、運転能力に整備能力。これをつけることが今後のニューノーマルの生活様式では必須なのです。なので17歳になっているうちの子はASAPで免許を取りにいってもらいたい。いちいち連れて行かず現地集合、これが大人の基本です。

出典元(陸上自衛隊HPより引用