(以下ネタバレあります)
バーフバリあらすじ・ポイント
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時間軸が面白い
簡単にいうと、バーフバリは王の名前で便宜上初代と2代目と呼びます。
王位継承で兄弟ともめた初代バーフバリは陰謀で暗殺され、その息子(二代目バーフバリ)も誕生後すぐに暗殺されようとするのを祖母が逃がすのですが、物語は時間軸を飛ばして二代目バーフバリが赤ん坊として生き延びて成長するところからはじまります。
成長し、自分の正体をようやく知ることになるのですが、初代バーフバリがどうだったかは回想シーンで構成され、これがながい。長いなあと思っていたら、なんとそのまま映画が終わるという、前代未聞の構成。
これが1作目の「伝説誕生」です。
そりゃ2作目見たくもなるってものです。1作目は長編の予告編といってもいいほど。
(時間軸概略)
そして2作目「王の凱旋」ではどうなるかというと、やはり回想シーンからはじまり、延々といかに初代バーフバリが素晴らしく、なぜ暗殺されてしまい、2代目が生き延びるかが描かれます。
そうしてようやく2代目の現在の時間軸に戻ってくるのです。
まあとにかくクドイ、灰汁が強い。だがそこがいい。
だれが悪いの?
さて親子二代にわたり、国が混乱した原因はどこにあるのか?
もちろん直接的には強欲で権力を欲した人民への愛がない兄と、それを溺愛する王になれなかった父にあるわけですが、関節的原因は母と(初代)バーフバリが愛した妻にあります。
簡単にいうと壮大な嫁姑問題。
母がバーフバリの才能を見抜き次期国王に抜擢、世間を知るために国外へ旅に出すのですが、旅先で小国の姫を見初めます。それ知った兄が画策し、母にあの娘が欲しいといって母が金銀財宝で娶ろうとするわけですが、これを嫌った(後の)妻が拒否。
ちょうど姫の小国が襲われたのですが、それを助けるのが名前を隠した初代バーフバリ。そして姫と両想いとなるのですが、バーフバリが母からの指令を思い違いをして姫を連れて国に戻るとさらにややこしいことに。
結局バーフバリは国王になれず、さらには将軍職も奪われ姫と下野、バーフバリは民衆と共に生きます。
国王となった兄は独裁化、邪魔なバーフバリを謀殺。
ちょうど2代目が生まれたばかり、母はその2代目を国王に据えようとするが時すでに遅し。母は2代目を連れて逃げるものの川で溺死。妻は国王に捉えられ25年もの間、幽閉されるというもの。
2代目はかろうじて滝の下の集落に拾われ、育てられるというのが1作目の冒頭となります。
謀略に謀殺を繰り返す兄が悪いのはもちろんですが、その彼に国王の権力を渡した母のミス。そしてそのミスを誘ったのが、気が強く、物事をはっきり言いすぎる姫の問題。そして嫁姑問題勃発。かくもインドの女性は強いのか、と思わせるシーンばかり。
あと気になったのが初代バーフバリの最期では妻子ではなく、母を案じて死んでいくというマザコンぶり。親子愛が強いようです。
結論からいえば母はヒステリー起こさず、民衆の信頼の厚いバーフバリをそのまま国王にしておけば、何も問題なかったのになあ。あれだけ物事を見通せるのに、やはり最終的には感情に流されるんだなあと、嫁姑問題が国全体に及ぶ専制君主制の末恐ろしさを感じましたよ。
このへんの世継問題は「リボンの騎士」や「ジャングル大帝レオ」でもありましたけど、嫁姑問題はなかったものなあ。
ということで、面白かったです。