乗り物教育と原体験の喪失

自分を振りかえると、乗り物で憧れたのはL特急あさまだった。幼稚園のときのなりたいものに「あさまの運転手」と書いてあった。その次の年には「仮面ライダー」となっていたので、いわゆる幼稚園生の憧れの職業というのは運転手とヒーローは同列だったのだろう。

野間家へのモータリゼーションはカラーテレビの導入なみに遅かった。当時長野県御代田町に住んでいたが、電車の便が余りに悪く、バスもなかったのだろう、乗った記憶がない。そのためにようやく親が免許をとり、軽自動車のフロンテだかなんだかを買って、それが初めてのマイカーとなった。

その後川崎に引越してから数年はマイカーがなかった。とはいえ、川崎である。京急もあれば、市営に臨港バスがめまぐるしく走りまわり、公共交通機関だけでことが足りた。その後マイカー、トヨタセリカ1600GTが導入されたが、有鉛ガソリン使用ということもあり、出番はめっきりなかった。

自分にとってのモータリゼーションは大学時代、バブル景気に後押しされた日本車ブームの影響が一番大きい。もしくは小学時代のスーパーカーブーム。ロータス、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニに憧れ、今もその憧れはキラキラと輝いている。

さてうちの子を振りかえると、彼は物心ついたときからクルマ世代だ。生まれてすぐに病院から出ていくのにマイカーで移動、その後八王子で住んでいるために移動のメインはマイカーだ。

そのためにL特急だとか、新幹線といった電車への接触機会が少なかったためだろう。おもちゃでプラレールを買い与えなかったこともあり、いわゆる鉄分はゼロだ。

生活の中で電車があるわけで、京王線を使っているわけだからゼロなわけはないと思っていたが、電車はあくまでも移動の手段であるからまったく興味がない、まさにゼロだった。

余りになさすぎて、鉄道むらに行って寝台車や蒸気機関車を見せても反応ゼロ。

原体験がない、というのはどんなに後から言って聞かせても無理なんだな、ということを改めて知った次第。

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そして、クルマもそうなりつつある。

だから改めてイベントを開催するのです。

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