おわりのはじまりがおわりました。
TM NETWORKツアー、the beginning of the endに参加してきました。
今回参加できたのは、4/26(土)府中の森、5月19日・20日、東京国際フォーラムの3回です。
このツアーに合わせて発売されたシングルとアルバムはLOUDとDRESS2。えっ、DRESSっていつぶりの2なのよ!
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これに先立って出た小室哲哉のアルバム、 EDM TOKYO
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このCDをスピーカーで聞いている限り、このEDMってのがどうにも馴染めません。ドラムが目立って、低音ドカドカ、メロディラインも自己主張していてどうにも俺が俺が、といった感じで。なので実は最初、買わなかったんです、DRESS2。
ところが。
府中の森のライブに行ってみたら、これがまたいいんですよ。あれだけ自己主張が強かったドラムがライブでは躍動感のある音になり、非常に生き生きとしていて。思わずドラマーを調べてしまいました。
Ruy Official site:::Ruy東京都出身。10歳の時からドラムを始め、14歳の時には複数のバンドのドラマーとして活動するほか、作詞・作曲等もおこない本格的な音楽活動を始める。21歳頃からゴスペルドラマーのFuyu氏に師事。 現在様々なアーティストのLIVEやレコーディング等を務める一方、自身のバンドAvaivartika(アヴァイヴァルティカ)のメンバーとしても精力的に活動中。 参加したアーティスト KAT-TUN・JUJU・JYONGRI・TM NETWORK・Purple Days・miwa・松岡英明・遊助 etc...
Ruyさんは若いし、華奢、なんというか、こういまどきの若者感たっぷり。ドラマーというと我々世代だともっとむくつけき感じ、パワーで腕の筋肉バリバリ、Gジャンを着こなしてサングラスはレイバン、みたいな世紀末的ファッションが似合う職業だと思ってたのですが、そのイメージとは正反対。
仮面ライダー的にいえば、昭和ライダーの本郷猛=藤岡弘、に対する平成ライダーといったところでしょうか。
その平成ライダー的ドラマーRuyさんの叩く音がいいんですよね。ああ、なるほど、じゃあDRESS2買わなきゃ。
DRESS2買ってみると、まあそりゃそうなんですけど、ライブの後だとちょっと物足りない。やっぱライブはいいものというのもありつつ、音がどうしてもドンシャリなんですよ。もうちょっと低音が弱ければいいのに、と思いつつ、電車移動時にヘッドフォンできいてみたら、あれ、なんかイイ感じ?
そうなんですよ、音のチューニングが完全にヘッドフォンプレイヤーに最適化されていたんですね。
だから電車の中で比較的低音のでにくいモニターヘッドフォンでDRESS2を聴いていても、ドラムがしっかり聞こえてきてちょうどよくなっているんです。簡単にいうとかなり低音を持ちあげている設定。だからスピーカーなどできくとちょっと出張りすぎてたんでしょうね。
DRESS2の中でやっぱり象徴的なのはGET WILD 2014なのですが、他初期TMのナンバーがアレンジされたのが素晴らしいんです。特にデビュー曲、金曜日のライオン2014。
ライオンですよ、ライオン。
TMの初期は特に歌詞が、舞台設定がファンタジーで、ドラゴンありーの、宇宙ありーの、バンパイアはいるわ、古代ローマだしと、独特の世界観というか、もう訳分からないんです。それにこの当時ポップでシンセサイザーなサウンド、それにウツのヴォイスがセットになって降ってくるんですからそりゃ、中二病全開な我々は雷に打たれたように心酔するわけです。
PVも相当カオスです。
というか、なんじゃこりゃ!
なんで女の子がワニなんだ!?
とまあビジュアルバンド、コミックバンドとしての側面をもちつつデビューしたTM NETWORKが30周年を迎えて、今再びEDMとして蘇る金曜日のライオン。なんてスタイリッシュでかっこいいんだ。
この初期のサウンド、ファンを総称して「Fanks!」と名付けたわけですが、このFanksという言葉はその後余り表に出て来ず。特にロックに移行したTMN時代はすっかりなかったことにされてました。それから幾星霜、ここ最近の復活劇を経て再びFanksの夢が叶うわけです。
RAINBOW RAINBOWに永遠のパスポート、ACCIDENT。
懐かしい曲ばかりDRESS2ではアレンジされています。もう本当にCAROLとか SEVEN DAYS WARからだと新参者と思えるほどの古典中の古典に打ち震える古参向け楽曲は終わりではなくはじまりを予感させます。
でも終わりの始まりなんですよね。
年をとりました。TMも我々も。振り返れば色々な思い出がよみがえります。
次回はWINTERということで、それでまたDRESS3が出て、そして来年このプロジェクトの終焉を迎えることでしょう。
ライブというよりも、ひとつのストーリーを紡いでいるコンサートはMCゼロ、ついに welcome to the Fanksの言葉もなく、もちろん
all right? もありません。あるのは無言の小芝居のみ。
しかしまさにこの小芝居こそがTMの真髄であり、伝統なのです。金曜日のライオンのPVのように。
今夜、いや次回どんな夢を見せてくれるのか、楽しみであると同時に終焉へのタイムトゥカウントダウンに怯えています。