オープンカーは不評です。不人気です。売れていません。
これは世界的な趨勢。しかしながら消滅もしません。それはなぜなのでしょうか?
それはオープンカーにはオープンカーにしか味わえない、多幸感があるからです。
世の中の人は口ぐちにオープンカーの悪口だけをいいます。不便な点だけをあげ連ねます。いかにそれが効率の悪いものか、無駄遣いであるか、を説きます。しかも論理的に。
しかしながらその多くの人は一度もオープンカーを所有したことも、それどころか乗ったことすらない人たちなのです。不便そう、無駄っぽい、快適ではないというイメージだけが先行。
オープンカーの素晴らしい点ってどこですか? - Yahoo!知恵袋たとえば今流行のミニバンの人に
「大きくて狭い路地や駐車場で苦労しませんか? 燃費が悪くてガソリン代の高沸で大変じゃないですか?どうせ普段はたった一人で乗ってるんでしょ?」
って聞くようなものです。
ミニバンにだってメリット・デメリットがあるように、オープンカーにだってメリット・デメリットがあります。デメリットだけフォーカスしていても不公平、メリットにだって目を向けるべき。ただ誰も体験していないのでそのメリット知られてない上、知っている人はそれを声高に知らしめるボキャブラリーが不足しているのも否めません。なにせ良さを知っている人は、私を含め
「楽しい!」
しか言わないのですから。
この「楽しい」は非常に直感的なものであり、五感でなければ感じとれないものばかり。文章では伝わりにくいです。だから一番いいのは体験してもらうこと。その際に気をつけて欲しいのは、オープンカーはそのへんの普通の車とは違う乗り物、という点です。
ジャンルとしては自転車やオートバイに近く、よく言われる4輪バイクという表現がぴったりです。
ですから当然のことながら、
・夏は熱い
・直射日光で日焼けする
・冬は寒い
・雨は最悪
・雪は問題外
です。その分四季折々の変化を感じられ、より緑豊かな日本の景色を楽しめるといっても過言ではありません。
ただバイクと違い、上記デメリットもちょっとした工夫で克服可能です。
・夏は熱い>幌をしめてエアコンをかける
・直射日光で日焼けする>夜走る
・冬は寒い>窓をあけてエアコンを全開にすると意外と寒くない
・雨は最悪>雨の日は走らない
・雪は問題外>スタッドレス+4WDに乗りましょう
特に日焼け日焼けとうるさい方にいいたいのは、実はオープンカーが気持ちいいのは昼の青空だけではないということ。夜景、特に高速道路のトンネルや街灯のオレンジ色の灯りが頭の上から流れていくのは美しいものです。
もしこれを体験したこともないのであれば、ぜひ一度知ってほしいですね。ヘルメットが不要というのはオートバイと比較していいポイントです。
海岸線をオープンカーで走るのなんて、最高ですよ。
オープンカーは目的地に着く、というだけが目的ではありません。目的地に着くまでの道を楽しむことも目的の一つなのです。普通の車だとよくドライブが面白くない、DVD見てようということになりがちですが、それは景色が悪いから。視界が悪く、車外の情報が入りにくいのです。
その点オープンカーは360度、すべてが景色で視界なのです。渋滞したとしても、目線を上にあげて流れる雲を眺めれば、まるで公園で昼寝しているかのよう。ゆったりした気持ちになれます。
気になる空気の汚れですが、実はここ最近の排ガス規制にディーゼル規制のおかげですっかり都内の空気がクリーンになったのですよ!
その昔、S2000を購入したばかりの2002年ごろは環八に入るまでオープン、環八に入る直前にクローズにして走行するというほど排気ガスは臭く、ディーゼルの煤で汚れていましたが、規制のおかげですっかりそんなことはなく、今では環八だろうが環七だろうが甲州街道であろうが、オープンで走行しても問題ありません。
この1点だけでも、私は石原都政時代を評価しています。石原氏がいなかったら、都内でオープン走行するなど、本当にありえなかったのですから。
花粉症の方はツライというご意見もあるでしょう。その点はなんのことはない、マスクをすればいいだけです。外出時、皆さんマスクするでしょう、私もしていますが、そのまま乗ればいいのです。
正直日本でオープンカーを楽しめる時期は短いです。
しかしこれは桜の花のようなもの。たとえ1年に 1週間しか楽しめなくても、日本中桜の木は植えられています。そもそも日本人はそういった短い、儚いものを楽しむことができる文化を持っています。四季折々の変化を楽しむのと同様、短く儚いオープンの楽しめる季節を十二分に楽しもうではありませんか。
・桜並木
・海岸線
・新録の中
・稜線
・夜景
・トンネル、街灯が流れていく光景
・夕焼け空
・青空と白い雲
こういった光景、チャンスを見つけてオープンカーを繰り出します。するとただクルマを乗る、だけではない極上の喜びを感じとれるはずです。
以上、オープンカーであるS2000に12年のった私の感想です。