零戦は傑作機、それとも欠陥機なのか?

評価がこれほど別れるプロダクトも珍しいです。戦争初期の快進撃とは裏腹に、戦争末期においては損耗率の高さと神風特攻隊に使われるなど悲劇的な終戦を迎えました。

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子供の頃、昭和50年前後まだまだ戦後の香りが残る時代。戦前・戦中派が現役でまだまだ気を吐いており、零戦は英雄的な扱いで各メディアで取り上げられていました。そして戦争に負けたことについて、超巨大爆撃機「富嶽」完成の暁にはアメリカ本土爆撃で戦局が転換していたはずだガー、みたいなのがまことしやかに流布していて、子供心にあの戦争はちょっとの差、「惜敗」だったという印象です。

それから幾星霜。

40も越えたいい大人になり、色々な知識と経験を積んでくればいつまでも軍国少年であろうはずもなく、かといって左翼脳になるわけでもなく、自分なりの解釈と理解をするのです。ただその中でも「零戦」についてはやはり判断が難しく、ジブリ映画「風立ちぬ」を鑑賞し、その原作となった堀越二郎著「零戦」を読んでもまだまだ分かりません。ただそのひとつの答えは戦勝国、アメリカの作った番組にありました。