ハイブリッド VS ダウンサイジングターボ:乗り物文化を体感するドイツ旅行(10)

ドイツ、ヨーロッパと日本とでは地形が違う、交通が違います。どう違うかというとドイツは平均速度を高く保とう、目的地に短時間で到達しようという意識がつよく、道はなだらかで信号は最小限、交差点はランナバウトという停止不要で抜けられるものが多くなっています。

▼NURBURGRINGのランナバウト

一方日本はというと、交差点に横断歩道と信号だらけ、幹線であっても速度を出させないという意図からか信号の連携は悪く、必ずブレーキして完全停止する必要があります。たとえ直交する道の交通量がゼロだったとしても、信号は必ず赤になります。

こういった地形、交通の違いが車作りにも表れています。

日本が得意のハイブリッド、モーターをバッテリーを組みあわせてアシストするものは日本やカリフォルニアではとても人気です。市街地でスタートしては信号で止まる、といった時にそれまで捨てていた運動エネルギーを発電機(回生ブレーキ)で回収、電気としてバッテリーに溜め、それを次の発進加速でモーターを駆動することでエンジンの負荷を減らし、ガソリン消費量を抑えることができるためです。ただしモーターやバッテリーなどにより重量が増えます。

一方ヨーロッパで主流となったダウンサイジングターボ、従来の排気量より小さな排気量のエンジンにターボを組み合わせることで、低負荷時=アクセルを開けない、街中走行の燃料消費量を抑えつつ、高負荷時、例えば高速走行時や山岳路の登りでは従来と同等以上のパワーをターボで発揮させることで全体のパフォーマンスを損ねずに燃料消費を抑えることが出来ます。排気量が少なくなったエンジンブロック自体は軽くなり、ターボやインタークーラーなどの付加物もシンプルでさほど重量がさかみません。

どちらも手法の違いですが、走る道が違うとメリット、デメリットの出方も違います。