ミニ四駆小説「流しのミニヨン・レーサー北川」:第33話 黒服 #mini4wd

前回までのあらすじ

闇の組織ダークゴーストは手入れのあった品川ファクトリーを放棄、新たに川崎ファクトリーを立ち上げた。そこでは最新鋭の設備により、量産型井桁超大径マシン MIS-06の製造がおこなわれようとしていた。

川崎ファクトリーが本格稼働し、ダーク・ゴーストはさらに各地での賭けレースを活発化していた。ダーク・ゴーストが製造する量産型井桁超大径マシン MIS-06は常勝マシンとして各地のレースに出没、しかしそれと分かってはレース自体が成立しないために、レーサーは各自のボディによりカモフラージュしていたため、このことは表立っていない。

・・・

場所は代々木の焼き肉屋。

浜田「最近めっきりですわぁ」

自称『新橋の虎』、浜田の姿は虎というよりすっかり大猫の様相になっていた。背中は丸く、小さくなっている。それもそのはず、横浜のレース以来すっかり負けが込んでいるためである。

浜田「兄貴も全然連絡がとれないし、一体どうしちまったんだろう」

北川に連絡が取れないのも無理はない、北川の携帯はミルクに沈められて壊れてしまったからである。そもそも携帯電話全盛のこの世の中、バックアップをとってないわけはないので早急に復活してもよさそうなものであるが、相変わらずであった。