前回までのあらすじ流しのミニヨン・レーサー北川は横浜にやってきた。自動車メーカーのショールームでミニ四駆レースが開催されるという。なぜ自動車メーカーで、と不思議がる浜田と学生に北川は講釈する。
北川、浜田、学生の3人はスポーツカーの前に立っていた。
学生「最近はクルマは所有するものではなく、使うものになってますものね。便利かどうか、安いかどうかだけで判断されますよ」
北川「...フッ、ミニ四駆の会場には必ずレンタルマシンが用意してある。通りがかりの人でも遊べるようにした主催者の配慮だ。しかしミニヨン・レーサーがそのレンタルマシンを借りて走らせると思うか? みんな徹夜で組み上げ、思い思いのセッティングとカラーリングでレースにのぞむんだ。勝負の勝ち負けだけではない、マシンに想いを込めるんだよ。
北川「これが実物大スケールの自動車になったら、レンタカーでよくなるのか。確かに自動車じゃレースをしないという人がほとんどだろう。しかし、お仕着せの既製品ではなく服と同じく着こなしたい、自分の使い方に合わせたい、自分好みに仕上げたいと思ったら、レンタカーじゃ無理だ。」
学生「でもお金かかるじゃないですか。効率的とはいえませんよね」