ミニ四駆小説「流しのミニヨン・レーサー北川」:第5話 サラ #mini4wd

前回までのあらすじ

流しのミニヨン・レーサー北川は高尾のミニ四駆専門店に行き、店主から失踪したミニヨン・レーサーのてがかりとなるレースデータを貰った。

24日。新宿三丁目。

肉屋にとって29日が大事なように、24日はミニヨン・レーサーにとって特別な日である。この日は多くのレーサーが夜のビックイベントに参加してくるため、学生の父親の手がかりも掴めるに違いない。


(イメージ写真:Flickrより)

北川は新宿三丁目、伊勢丹の前に降り立った。

北川「・・・何も、変わってないな」

佇む北川の後ろに大男・浜田と学生が現れる。

浜田「なんや、意外と寂れた街やなあ」

学生「新宿の中心部と比べると、少し離れてますものね。新宿御苑も近いし、結構落ち着いた街かも知れませんよ」

確かに回りを見渡すと新宿方面は賑わっているが四谷方面はめっきり暗く、静かで逆に気味悪いほどだ。こんなところにミニ四駆をする場所があるのだろうか。

佇む北川の前にすっと女性が現れた。

サラ「北川・・・さん?」

北川「!」