ここ最近考えていることは、なぜガンダムSEEDがここまで自分の中でヒットしたのだろうということ。そこですっかりマイ・リファレンスとなった感のある「ガンダム者」にこんな一文を見つけて、なるほどと納得してしまった。
ガンダム者―ガンダムを創った男たち p.124
「マクロス」のあとに「ガンダム」の続編が作られましたが、必ずしも'79年の「ガンダム」同様の評価・支持ではありませんね。(中略)渡辺岳夫(作曲家)さんがいらっしゃらないのは大きいと思います。僕は音楽は作品の中で重要なファクターを占めていると思うんですよ。でも軽視されることが多いですよね。(脚本家:松崎 健一)
確かに(初代)ガンダムの音楽は特徴的で、BGMとシーンが強く結びついて記憶に残っている。特に映画版は各主題歌や挿入歌が強いイメージとなっていて、その音楽を聴くだけでグッと来てしまう。音楽は絵や文字にならないので、印刷物メディアに慣れきってしまうとすっかりそんなことを忘れて、ガンダムという作品を評価しまっていたようだ。
ガンダムSEEDはさてどうだろうと考えてみると、やはり音楽のポジティブな影響は明らかだった。まずガンダムSEEDという作品が始まった時には、まったく何も、一切期待してなかった。一点あったのは、T.M.Revolutionが主題歌(オープニング)を歌うという点。実際に見ると、オープニングアニメーションと音楽の躍動感が一体となっていて、作品に対しても期待を持たせられた。実際の第一話の印象は「登場人物が多い、わからない単語が多い」で混乱させられたものだが。
オープニングはその後、1クール毎に Vivian or Kazuma, 玉置成実(つい最近「玉置成美」ではなく「成実」だということを知った)と変わっているが、どれもオープニングの内容とあいまって、良印象だ。エンディングは止め絵というのが手抜きっぽく、うちでは評判が悪いのだがそれでもSee-Saw、石井竜也、中島美嘉の曲はなかなかだ。
なかでももっともお気に入りが、T.M.Revolutionが歌う挿入歌の METEOR(ミーティア)だ。これは本編では数回しか使われてないと思うが、使われた場面の深刻さがかなりのもので、グッとくる。一方、T.M.Revolutionのプロモーションビデオは本編に比べると情感がないためか薄っぺらく、全然イケてない。
主題歌のみならず、使われているBGMも印象深い。現在SOUNDTRACKは3枚出ているようだが、本編の宇宙から地球、そして再び宇宙へと移り変わる中で、各場面に合わせて多種なBGMが使われているようだ。最近はなるべくBGMにも注意を払ってみているが、前回の49話では、パトリック・ザラや、ラクスのセリフの時に使われているBGMも場面の雰囲気を盛り上げている。
実際、他の作品でいえば「伝説巨神イデオン(というよりも、ドラゴンクエスト)」の「すぎやまこういち」氏、「超時空要塞マクロス」の「羽田健太郎」氏、「幻夢戦記レダ(よりも、エヴァンゲリオンが当然有名)」の「鷺巣詩郎」氏、そして宮崎アニメといえば「久石 譲」氏といったように、音楽が果たす役割は明らかだ。隠れた存在になりがちのBGMだが、実は映像と同じ位重要な位置を占めることを再確認した。
ガンダムSEEDは次回で終わってしまうが、BGM集を聞いて情景を思い出してみたいものである。思い出せれば、そのBGMは成功でしょう。
以下、SOUNDTRACK集、主題歌へのリンク
ちなみに、SOUNDTRACK 3のリストを見ると、最終回を暗示するかのようなタイトル(ネタバレか??)が幾つか入っているので、見るときにはお気をつけて。
そして番外編ともいえる、ラジオドラマ(?)が入っているお徳なCDがこれ。音楽はもちろん、番外編ドラマもイケている。特にスーツCD 4 ミゲル・アイマン×ニコル・アマルフィ編の「暁の車」はレビューで絶賛されまくり。
そしてもっとも今注目なのが、9/26発売のコレ。今までのOP,EDをすべて収録、さらにオープニング、エンディングアニメーションがDVDで収録、年内の期間限定発売。
音楽で泣こう!