3時間簡単OCNクッキング


はじめに

今日ご紹介するメニューは、OCNエコノミー(128KB 常時接続)を利用し、MN128-SOHOでルーターを行い、WWWサーバー、DNS、メールサーバーを1台の Linuxマシンで行うネットワーク構築です。

ドメインはオリジナルのドメインを利用、しかしOCNのオリジナルドメインサービスを利用しない形態なのでDNSは自分のネットワークで行います。


予め用意する材料

OCNエコノミー契約 x 1
MN128-SOHO SL11 x 1
Linux用 PC(古くても構わない) x 1
ネットワークケーブル x 少々
ISDN対応電話線 x 少々


下ごしらえ

OCNエコノミーの申し込み

まず、なにはなくともOCNの契約をおこないましょう。OCNの申し込みはメールで行うことができます。メールを送ると、OCNを引く地域の担当者よりメールまたは電話で連絡がきます。その後その担当者と打ち合わせを行い、申し込み書類を記入、工事日が決まります。工事は申し込みから約1ヶ月必要。

今回はサーバー移設のため、すでにドメイン名を取得済となっていますが、新規取得の場合も手続きはほとんど同じとなります。

第一種オープンコンピュータ通信網サービス加入申し込み

1 お客様情報
注文の種類: 2 OCNエコノミー(DNSお客様設置)
2 屋内配線設備情報
配線工事: NTTが行う工事 6. DSU直前まで(お買い上げ)
3 端末設備情報
端末接続形態 (一番下をチェック) NTT--MJ----6ルータ(DSU内蔵)
<お客様設備> MN128SOHO-SL11, HUBを使用予定
接続機器 (一番右)
端末機器名 6 ルータ(DSU内蔵) <IPMATE1000等>
工事区分 2 お客様
所有区分 3 他社製品

製品名等 製造会社名または製品名
MN128SOHO、DSU折り返し機能 1有り
保守区分 (なし)
4−1 お客様ドメイン設定情報(ドメイン名&オリジナル・ドメイン Mailサービス)
使用するドメイン名について 3.既得のドメイン名を利用する
<使用ドメイン名>

sample1.co.jp

(使用するドメイン名を指定します。今回はサンプルのため、 sample1.co.jpとします)

4−2 お客様DNSサーバ設定情報(DNSサーバ名&セカンダリDNS)
DNSサーバ名 ns.sample1.co.jp
1. 本 OCN回線にDNSサーバを設置する
セカンダリDNS

1. 希望する⇒OCNでお客様のセカンダリDNSをご用意します。

5 オリジナルドメイン Mailサービス
指定なし  
IPアドレス割り当て申請書
1ネットワーク名 SAMPLE1-NET
2 IPアドレス割当申請書 適宜記入
3 ネットワークプラン
  サブネット数 1 2 3 4 ホスト合計
現在値 1 7       7
6ヶ月後 1 8       8
1年後 1 9       9

IPアドレスの割り当て数を決めるもので、8個か16個になるかの分かれ目なので、とりあえず1年後に8個以上になるように申請しています。

4 割り当て済 IPアドレス(4,5,6はすでに割り当てられている場合のみ、新規は未記入)
ネットワークアドレス

210.XXX.YYY.ZZZ
※ XXX,YYY,ZZZは本来3桁の数字です

サブネットマスク 255.255.255.0
サブネット数 1
5 既設ネットワーク情報
Subnet No. ネットワークアドレス サブネットマスク インターネット接続 ホスト数 記事
1 210.XXX.YYY.ZZZ 255.255.255.0 YES 1 WWW(ハウジング)

すでにサービスを行っているネットワーク情報を入れる。新規の場合は未記入

6 IPアドレス返却申請 返却する (新規の場合は未記入)
個人情報 適宜記入
IPアドレス返却申請書(新規の場合は未記入)
1 ネットワーク名 SAMPLE1-NET
2 IPアドレス割り当て申請者 適宜記入
3 返却IPネットワークアドレス ネットワークアドレス 210.XXX.YYY.ZZZ
サブネットマスク 255.255.255.0
加入プロバイダ名 TTNet (株)サンプル
ご契約状況 解約届提出予定(2000年1月 提出予定)
4 返却希望年月日 開通と同時に返却する
5 連絡用メールアドレス 適宜記入
6 お客様番号  

PCサーバー

サーバーに使用するPCをまず調達します。今回は友人から譲ってもらった中古マシンを利用しました。スペックは以下のとおり。

Pentium 166MHz
memory 72MB
HDD 6GB
NE2000互換ネットワークカード

このスペックはなんでも構いません。以前は i486DX-2 66MHz memory 40MBを利用していましが、問題ありませんでした。サーバーに適したマシンが見つからない場合は購入する必要がありますが、最新ではなく、少し古めのシステムを選ぶのがコツです。

ネットワークカードは必ずメジャーなもの、例えば NE2000互換、 DEC tulipチップ、3COM社製など、Linuxがサポートしているものを選びましょう。パフォーマンスはあまり問いませんので、ISAで構いません。

VGAカードに至っては、Xを動かしてクライアントとして利用することはありませんので、まったくなんでも構いません。

Linux

FreeBSDでも、Linuxでも構わないのですが、今回はLinux、Vine Linux 1.1CRを利用しました。理由は 以前 Turbo Linuxを利用したので、今回は違うものにしようということだけです。Vine Linuxは比較的シンプルにインストールできるし、日本語環境が揃っているというのも利点のひとつです。インストールについては、 Linuxのインストールガイドをごらんください。

インストールの際にパッケージを選択しますが、当然 WWW, Mail, DNS等のサーバーに必要なパッケージは選択します。またネットワークの設定は後述しますが、プライベートアドレス 192.168.0.0/255.255.255.0 を利用します。本体のIPアドレスは今回 192.168.0.10を利用しました。


調理方法

OCNの工事が終わり、ネットワークに関する情報が指定されます。今回は以下のように指定されました。

オープン・コンピュータ通信網サービスご利用内容のご案内
<エコノミーサービス>

■ネットワーク設定項目

IPアドレス 210.AAA.BBB.192〜210.AAA.BBB.207
ネットワークアドレス/サブネットマスク 210.AAA.BBB.192 / 255.255.255.240

■ DNS(ドメインネットワークサーバ)設定情報

プライマリDNS ns.sample1.co.jp
セカンダリDNS
(正引き)
セカンダリDNSホスト名 ns-tk013.ocn.ad.jp(203.139.160.75)
ドメインネーム sample1.co.jp
プライマリDNS IPアドレス 210.AAA.BBB.194
セカンダリDNS
(逆引き)
セカンダリDNSホスト名 ns-tk013.ocn.ad.jp
ドメインネーム 192.82.162.210.in-addr.arpa
プライマリDNS IPアドレス 210.AAA.BBB.194

■ ドメイン名

sample1.co.jp

当然本来 AAA, BBBは3桁の数字をあらわします。


ルーター設定

http://www.bug.co.jp/mn128/index.html
http://www.bug.co.jp/mn128/faq/sample/ocn.htm

MN128-SOHO SL11をルーターとし、グローバルアドレス(210.AAA.BBB.193)を割り当てます。ルーターに接続する Linuxサーバーはプライベートアドレス 192.168.0.10を割り当て、その他のクライアントPCはルーターの DHCP機能によりプライベートアドレスを割り振ります。

DNSや WWW、メールサーバーとして Linuxサーバーはグローバルアドレスを割り振る必要がありますが、それはルーターNAT機能で実現します。

というのも、●OCN契約のルータアドレス/サブネットマスク長 に OCNの指定したネットワーク情報 210.AAA.BBB.192/28が設定できなかったからです。そのため、以下のようにしました。

簡単設定、クイック設定、OCNエコノミー

[接続設定]
●OCN契約のルータアドレス/サブネットマスク長
●OCN側DNSサーバアドレス
[LAN側設定]
●LAN側のルータアドレス/サブネットマスク長
※AutoNATを使用しないときは、[OCN契約のルータアドレス/サブネットマスク長] と同じ値を入力してください。
●DHCPサーバ機能 OFF ON
 開始IPアドレス/個数
 ドメイン名
●ログインユーザID
●ログインパスワード
 ログインパスワード(再入力)

詳細設定、ルータ設定、IP

[オプション]で以下のように設定します。最初の4行は NetBiosのフィルタ用らしいです。次の3行がNATの設定で、グローバルアドレスとプライベートアドレスを変換しています。最後の行は謎の route設定で、これを削除してしまうと、、、大変なことになってしまいます(大変な目にあった・・・)。

 
ip filter 20 reject out * * udp route route remote *
ip filter 21 reject out * * * * 137-139 remote *
ip filter 22 reject out * * * 137-139 * remote *
ip filter 23 reject out * * udp 137 domain remote *
ip nat 1 192.168.0.1/*/* 210.AAA.BBB.193 remote 0
ip nat 2 192.168.0.10/*/* 210.AAA.BBB.194 remote 0
ip nat 3 */*/* 210.AAA.BBB.197 remote 0
ip route 0.0.0.0/0/7 remote 0 static
   

ということで、最終的な設定は以下のようになります。これはその他、設定の保存でセーブできる設定です。

# MN128-SOHO-SL11 1.40 12/20/99 21:38:39
# MAC Address: 00:80:b8:19:42:14
sys encrypt XXXXXXXXXXXXXXXX
user admin password XXXXXXXXXXXXXX encrypted
ip address 192.168.0.1/24
ip dhcp domain sample1.co.jp
ip dhcp server on
ip dns relay off
ip dns server 192.168.0.10
ip filter 20 reject out * * udp route route remote *
ip filter 21 reject out * * * * 137-139 remote *
ip filter 22 reject out * * * 137-139 * remote *
ip filter 23 reject out * * udp 137 domain remote *
ip las accept off
ip nat 1 192.168.0.1/*/* 210.AAA.BBB.193 remote 0
ip nat 2 192.168.0.10/*/* 210.AAA.BBB.194 remote 0
ip nat 3 */*/* 210.AAA.BBB.197 remote 0
ip route 0.0.0.0/0/7 remote 0 static
isdn type l128
remote 0 channel 2b
remote 0 dnsserver 203.139.160.75
remote 0 mode lan
remote 0 name Sample1Net
remote 0 ppp ipcp address off
remote 0 ppp ipcp dns off

これでクライアントPCからインターネット接続ができるようになりました。

次はLinuxサーバーの設定です。

⇒[ Linuxサーバーの設定]


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