だからWE ARE。「WE ARE Perfume」を見てきました。 #prfm

ようやく念願かなってドキュメンタリー映画「WE ARE Perfume」を見てきました。

(以下ネタばれあり)












テキサス・オースチンで披露した SXSWの映像をフルでしかも冒頭にもってきて、Perfume WORLD TOUR 3rdを振りかえり、NY公演後の打ち上げで締めくくるドキュメンタリー映画。最後にかかる曲はもちろん主題歌となる STAR TRAIN。

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ただ淡々と

このドキュメンタリー、映像をみているとこれまでファンクラブ「P.T.A.」で1年に一回つく特典映像が収録されたDVDとなんら変わりません。そりゃそうです、スタッフが撮影しているのですから、映像ソースはほぼ一緒になるのは自然です。

しかししっとりとしたナレーション、そして編集によって普段のゆるゆるのP.T.A.とは異なる、NHKばりの格式高い雰囲気に仕上がっています。プロの仕事の流儀、という感じでしょうか。

今回のハイライトは公演直後の反省会、ダメだし会。さすがにカメラが入っているので裸族とまでいきませんが、ストレッチしたり、足を氷水につけたりという姿をさらけ出しており、いかにライブが身体的に過酷かということを暗示してます。

一番面白かったのは「だいじょばないHandy Man」でのっちが盛大にフリを間違えたときのこと。フリを間違えるのは単純に他の2名と合わないだけではなく、ポジションチェンジがコンフリクトすることでもあり、あ~ちゃんの目の前に立ちふさがるのっち、ということも起きて、お互いにアイコンタクトで

「なにしとんの!」

的なやりとりがあったことを、反省会で、フリつきで再現。しかしこのときもライブでののっちの表情はクール、むしろ回りがまちがってる、直してあげるよ、的な自信満々なところが素晴らしい。

もうひとつ大事なポイントとしては、セットリストの変更、曲のつながりについて。オーディエンスの特性や趣味・嗜好を考えて公演ごとに入れ替えを検討。ひどいときは当日に入れる入れないを決定し、その場でライティングやら演出を修正するというデスマーチっぷり。

これがあるから、10days 3:5:6:9ツアーのスゴロクコーナーでその場で次歌うセットリストを決める、という芸当ができたのだなと感心しつつ、スゴロクコーナーの上でやられていたスタッフとのやりとりがすなわち舞台裏で行われたことそのものなんだな、と符合。

プロの流儀です。

クライマックスは?

映画という形式をとるものの、お涙ちょうだい的なクライマックスはなく、ただ淡々とツアーを「こなして」いきます。ナレーションの落ち着きがそれを表現しており、誰だろうとテロップみたらあ~ちゃんの仲良しである春菜ちゃん。「シュレックじゃねぇよ!(怒)」といったあのテンションがないので、全然気づきませんでした。むしろ劇的ビフォーアフターのサザエさんこと、加藤みどりさんかと思うほどの落ち着きっぷり。

ラスト公演はNY、その後の打ち上げでアミューズ社長からの花束、そして次の目標設定が唯一のクライマックスです。しかし狭い店内、スタッフしかいない内輪の場所での御礼と意思表明。しかしそこに入ったのはこのカメラ、映像。このカメラこそが多くのオーディエンスであり、我々なのです。

つまりこの意思表明はその場ではスタッフに対してのみ向けられていますが、このカメラを通して我々にも語りかけていたんですね。そしてその決意は我々ファンにも新しい目標設定と意思表明を促します。そう、これこそが WE ARE Perfumeだったのです。

そしてSTAR TRAINがかかると。

涙腺崩壊必至です。

真鍋さんがw

ライゾマの真鍋さん、ずっと裏方で表になかなか出てきません。途中hold your handsの映像制作で少しでてきて、ああ、仕事してるよね、と思っていたら、最後の最後、打ち上げではかしゆかの隣の席。もちろんカメラにフレームインしっぱなし!

早藤さんがw

いつも赤いスイスの帽子、Perfumeタオルでお馴染みの早藤さん。スイス在住でツアーになると直接スイスから駆けつける物凄い行動力をもつ方なのですが、最前列を確保するために1度ならず最低3回は映ってました。流石です。

STAR TRAINについて

いい曲だとか、新境地だ、とか、退行への一歩だとか、まあ色々言われていますが、名曲には間違いありません。

⇒ 近田春夫、Perfumeを語る - どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

様々な意見がでることが、Perfumeにとって力になります。無関心こそが最大の退行への一歩。

Perfumeの普遍と変化

⇒ Perfume Anniversary 10days 2015参加レポート:燃え尽きたPerfume、再スタートを切る #prfm - のまのしわざ

10days 2015の後、実はblu-rayを見直したんですね、時代順に。そうすると彼女たちのライブスタイルが普遍なのに対し、変化があるのです。それは身体の動き。

やはり20前後の時の方がいわゆる「パキパキのキレッキレ」的な動きをするんです。よりロボット的というか、俊敏さ、勢いがある。一方今の方はより完成度が高く、洗礼されていて滑らか。これは修練したこともあるでしょうが、もう一つはやはり体力的なものも作用していると思うということ。やはり27歳なのです、Perfume。

STAR TRAINは踊らない楽曲として驚かされましたが、今後20年、30年と活動を続けていくことを視野に入れると、むしろこのような楽曲を今後増やして行くことが実は肝ではないか、と森高千里をみて思うわけです。それがあれば20年後、コットンクラブにブルーノートでしっとりしたライブができるわけですよ。いやむしろトーク力だけでもいいんです。

変化といえば明らかに代わったのがファン層。男9割だった初回武道館、トイレの長蛇の列が大変でした。しかし今やトイレの列が大変なのは女性のほう。男女比率ではもはや逆転しているかも知れません。海外ではそれが特に顕著で、女性ファンが目立ちました。

とにかく貯金を

来年の目標設定により、とりあえずまた貯金をしておかなければならないことが分かりました。お仕事頑張るぞ、おー。

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⇒ Perfume「STAR TRAIN」インタビュー (1/3) - 音楽ナタリー Power Push