ガンダム・ビルドファイターズよ、ありがとう。

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実は昔からの夢でした、子供と一緒にガンプラ作ること。

ガンダムは戦争アニメで、どうしてもそのテーマに戦争とか国家、生と死が隣り合わせで、幼稚園や小学生低学年の子供に見せるには抵抗がありました。子供向けというふれこみで始まったAGEはイナズマイレブンをやっていたレベルファイブだったので、これは! と期待して見たのですがあの有様。戦争がどうの、というテーマ性というレベルまで達していないのに人は死ぬし、私怨だしと、残念ながら子供には見せられないものでした。

そんな訳でもうしばらく、子供がもう少し成長するまで時間がかかると思っていた矢先に現れたのがガンダム・ビルドファイターズ。

ガンダムではなく、ガンプラ・アニメという割り切りをしてくれたことで、戦争という重いテーマと離別、純粋にホビーとして、楽しめる設定のおかげで心配することなく存分にバトルを楽しむことができます。とにかくキャラが「死なない」のがいいんです。殺し合いではなく、戦い。スポーツとして、格闘技としての美学がでてきます。

「子供の遊びになに向きになってんだよ」

という台詞が再三劇中に出てきますが、これが今回最大のテーマかと。つまりホビーと生活のあり方です。

昔から趣味やホビーを蔑む言葉として「子供の遊び」という言葉が使われてきました。高尚な趣味に体する、低俗な遊びという意味でもあります。プラモデル作りはそういうものでしょうか、ガンプラ・バトルという競技はそういうものでしょうか。

プラモデル作りに傾ける情熱や、バトルに勝ちたいという気持ち、集中して懸命に頑張る姿。それを描いています。もちろん最終的にはガンプラが売れればスポンサーのバンダイは喜ぶ、というビジネスモデルが根底にありますけど、その原点にモノ作りの楽しさを継承していきたい、という魂を感じます。

このご時世、なんでも手軽になって玩具は買ってくればいいもの、という風潮に頑なに抵抗している勢力が実はプラモデルに代表される組み立てモデルであるのです。

物語性の面白さの上に、子供に作る楽しさ、機構の面白さ、発想の自由さを知らしめるビルド・ファイターズは、単なるガンダム・アニメ、ガンプラ販促アニメの領分を越えて新しい教育的価値がある番組といっていいです。

ということで、親子一緒にガンダム・ビルドファイターズを見、子供は子供の感じ方、ファースト・ガンダムをリアルタイムに見ていた私のようなシニア世代はオマージュたっぷりの演出表現にいちいちクスクスと笑いながら、一緒に楽しめるのです。そして一緒にやいのやいのいいながらガンプラを作っています。

男の子は戦争が好きなんじゃなくって、戦いに勝つこと、それに至るまでのストーリーが好きなんですね。生死や戦争の大義という大きな話は大人でも面倒くさいことになるので、それをスッパリ、サッパリ抜いて、楽しさだけを提供するビルドファイターズの建て込みはとても素晴らしいです。

ということで、ガンダム・ビルドファイターズを作ってくれたサンライズ・バンダイさんにありがとうと言いたいです。