息子10歳、紆余曲折のPerfumeライブデビュー


話せば長くなります。

今回のPerfume 4th Tour 東京ドームライブはいくつかの理由から、連れていくベストなタイミングと考えました。

・Perfumeが円熟期にある
・ライゾマによる世界最高峰の映像演出
・子供はPerfumeの曲をほとんど知っている、DVDも見たことがある
・子供が10歳となり、ライブ参加するには十分な年齢である

東京ドームに連れて行く前フリとして、NTT ICCで開催されたライゾマ展にも連れて行っています。

秋葉原ラジオストア閉館へ。子供を連れて昭和へタイムトリップ。 - [の] のまのしわざ

NTT ICCはライゾマ展、Perfumeの衣装に使われたラインLEDが売っているので興味津々。ほんと、LEDは安くなったし、青に白で明るいしで時代は変わりましたね。私の頃は赤と緑と黄色しかありませんでしたよ。

このライゾマの集大成が東京ドームなわけですから、そりゃいいに決まってます。

ただ問題はやっぱりタイミングの話。

大人のやらせたいタイミングと、子供のやりたいタイミング - [の] のまのしわざ

子供的には

・そもそも興味がない
・うるさいの嫌い、人混み嫌い
・なんで親の趣味につきあわなきゃいけないの、自分のやりたいことではない

ということから、行きたくありません。ただ父親(私)が連れていくよ、といったことに対して反抗してもダメなのは分かっているので渋々了承。ただ合意がとれているわけではないので、他の人には愚痴たらたらだったらしく、別ルートで激しいクレームがつきました。多少誇張、大袈裟になっていて、

・若い男やオタク中年が狂喜乱舞してバカ騒ぎしている場所にいたいけな小学生を連れていくなんて、可哀そう!

となってました。

そもそも Perfumeがアイドルで、ファンは若い男ばかり、もしくはオタクのオッサンという偏見もどうかと思いますし、そんな場所に好んで父親が連れていこうとするかどうか、そういうことを考えて欲しいんですが。実際にはレポートした通り、いまや女性ファンが多く、その年齢層も幅広く、特に今回はクリスマスということでカップルや夫婦での参加も目立ちました。

私が子供を連れていくのは、いつも考えがあってのこと。自分が楽しむだけ、というのならハッキリ言って邪魔、足手まとい以外の何物でもありません。他に子供がおらず、大人の輪の中にひとりポツンと小学生がいてつまらない、というのも理解できます。が、それも考えがあってのこと。

それはまず社会とはそういうもの、だからです。

同じ年齢層同士で趣味嗜好が似ているもの同士で仲良く、というのは別のところで十分足りています。父親と出かける、というのは極論すれば社会規範と一緒に出かけるようなものであり、父親が父親らしくあるためには社会性を重んじる必要があると考えています。

父親が子供にかまって、いや子供の世話ばかりして他がおざなり、というのはありえません。それは子供が王子様となり親が家来に成り下がっています。だからといって親が王様というわけではありません、親は社会であるべきなのです。

だから他に同じ年の頃の子供がいるかどうかにかかわらず、そこが子供にとってcomfortableかどうかにかかわらず連れて行きます。

そもそも社会がすべて、comfortableなはずがありません。comfotableな場所を求めるならhomeがあるわけで、homeをcomfotableにするのならいいですが、社会は社会。人様あっての場所です。だから当然忍耐、我慢が強いられます。行動の自由はなく「つきあい」でいなければならないことだってあります。私の世代はもうありませんが、父の世代は麻雀という文化があり、面子を揃えるという名目で休日上司から召集されたものです。その上でカモにされてハコテンになって帰ってくるというのはザラでした。私はしませんが、いまでも接待ゴルフはありますよね。

例え Perfumeライブが子供にとって気の進まない、「つきあい」だとしても、それはもう自由がないのは仕方ありません。それは子供が子供だからです。

ただ親だって親としての責務があるわけで、それが単なる自分の楽しみだけに付き合わせるつもりもありません。いいものだから、そして今でなければならない理由があるから連れて行くわけです。これは単なる娯楽ではなく、教育、社会見学の一環です。クラッシックコンサートに、美術展にいくのと同じこと。それがたまたま Perfumeであっただけのことで、モーツアルトや印象派よりも子供にとってはよっぽど親しみやすい題材を選んだつもり。

ということは確かに説明せず、ただ本人には「Perfumeライブに行くけど、24と25日、どちらがいい?」ときいたのみ。説明不足だったのは申し訳ないが、父親が事細かに説明して「説得」するものでもないと思います。

結局子供は愚痴をこぼしていたらしいが、

「次からはチケットをとる前に相談して」

私「わかった」

という一言だけで妥結。その後クルマの中で「未来のミュージアム」がかかっていたときのこと。子供がこの曲好き?というので「うーん、好きだけど、もっとガチャガチャした元気のいい曲の方が好きかな」というと、

「エレクトロ・ワールドとか?」

私「そうそう。」

「地面が~震えて砕けた~っていうところで盛り上がるの?」

私「そうそう。って知ってんじゃん。ライブじゃ皆でヘイヘイ言うんだよ。」

「へ~それじゃあ寝られないね。」

とまあよく知っているわけです。ていうか、寝るつもりか。

perfume tokyo dome day1

ライブ当日。昼について早速遊園地へ。そうです、ライブの前にゲームセンターに行くことをOKしているのです。もう、これは明らかに私のやりたいこと、ではないのですが仕方ない、これも「つきあい」です。

perfume tokyo dome day1

目当てのゲームがみつからず、とりあえずマリオカートで対戦。しかしやっぱり目当てのゲームがやりたいと、一旦東京ドームを離れ、ゲームセンターを探しに水道橋へ向かいます。しかし結局見つからず、そのまま神保町経由で秋葉原まで・・・徒歩で移動!

しかしさすがは秋葉原。ゲーセンは多い上、1つ目に入ったゲーセンでありましたよ、子供が今はまっているゲーム。

perfume tokyo dome day1

ガンダムトライエイジMS。

MSカードとパイロットカードを組み合わせて、ターン制でバトルするもの。いつのまにかにカードを一杯コレクションしていて、このカードを熟読することでモビルスーツの性能やパイロットの名セリフを覚えていたんですな。

perfume tokyo dome day1

「対戦しよう!」

というのでやってみたものの、やり方がよく分からずに敗北。しょうがないので「お前の力で勝ったと思うなよ、そのカードの性能のおかげだということを忘れるな!」と捨て台詞(お約束)。

perfume tokyo dome day1

十分ゲームをやり、電車で東京ドームに戻り、他のメンバー2名(大人)と合流し4人で観戦開始。

最初のうちはよかったものの、そのうちに飽きてきたらしく座りこんでうつむいていることが多くなり、ああ、こりゃもうアカンかなと思いつつ声をかけます。

私「どうした、気分悪いか? 外出るか?」

「いや、大丈夫」

2daysあるので、最悪中座しても仕方ないと覚悟きめていたのですが、頑として席から離れず。レーザーやプロジェクションマッピングなど、映像演出の時には声をかけて説明、その時だけは立ち上がって様子を確認、また座るの繰り返し。座っても渡したお茶のペットボトルをリズムに合わせて振っていたので、それはそれでノッていたのかもしれません。

そんなこんなで普段は「早く帰ろう」と言うのに、それは言わずにじっと座っていたのにはある意味感心、なんかもしかして少し成長した?

perfume tokyo dome day1

ライブは無事終了、混雑の中退場し、近くのサイゼリアでお茶タイム。一緒に来てくれた西川善司さんは実は子供が幼少の頃、一度家に遊びにいったことがあって多少覚えがあったのに加え、今回はNINTENDO 3DSでゲーム好き、ガンダム好きとして交流...というかまるで友達のように会話。

・・・

子供「マリオカート、うまくないね」

善司「初見プレイで3位は立派だろ」

子供「僕なんて初見プレイで1位だったもんね」

善司「なんだと!」

・・・

子供「ガンダムで何が好き?」

善「マークVだろ。有線式ビットが使えるからな」

子供「何それ弱そー攻撃範囲が狭いじゃん」

善「ちっともよわかねーよ。エネルギーがMS本体から供給されるからビーム撃ち放題なんだぞ」

・・・

こういう、大人との会話を見ている限り、うちの子供は全然ものおじしないというか、年上に混じってもまったく問題なく付き合えるし、そんな子供に真剣につきあってくれる善司さんも凄いというか、そのまま2時間くらいゲームとガンダム話で二人が盛り上がっていてビックリしました。

perfume tokyo dome day1
(クリスマスイブの夜、並んで歩く善司さんとうちの子供)

perfume tokyo dome day1
(帰り道、どらえもんを読む)

ライブはともかく、その前後は十分楽しめたはずなので、よい1日になったはず。

後日どうだったか感想を聞いてみると。

「まだ(僕にとってライブは)早かったね」

どのへんが?

「話(MC)が長くて、よく分からない」

確かにあれ、女子トークだったからね、特に1日目の自由奔放さはついていけないかも知れません。

ということで、子供の Perfumeライブデビューは無事終了。次回また来てくれるとは思えませんが、それでもいいんです。今ノリに乗っている Perfumeとライゾマの舞台を生で体験できたのですから。それがどういう思い出となるのか、それは10年後20年後に分かる話。

善司さん亜美さん、色々ご配慮ありがとうございました。