ラブストーリーは突然に。
そう小田和正は歌いましたが、オッサンともなるとそんなのは降ってわいてきません。しかしこれだけは確実に言えます。
事故は突然に。
お恥ずかしながら、雨天の高速道路を走行中、単独スピンして事故を起こしてしまいました。今回は自戒を込めて、その模様をまとめます。
【状況】
2車線の高速道路の走行車線を巡航中。ゆるいカーブのあとの直線をまっすぐ進行。ハンドル操作、ブレーキアクセル操作一切なかったものの突然リアタイヤが流れ、車が急激に右に曲がり始める。
「やばい!」
大声で叫ぶ(同乗者へ危険を知らせる)。
その回転(ヨーモーメント)が早すぎてカウンターステアでは間に合わないと判断、そのまま回転させ180度以上回りリアから中央分離帯のガードレールに左リアをヒット。2回大きな衝撃を受け、首が左右に振られてバックレストに後頭部を打ちつける。
その後衝撃でスピンするのを防ぎガードレールにそうようにハンドルをしっかりもち、左側全面をガードレールにこすりながら、フルブレーキングして停止。追い越し車線に後ろ向きに停止した状態。同乗者の状況確認、外傷なし。
後続車に分かるようすぐさまハザードランプ点灯、ヘッドライトをハイビームにする。エンジンは止まっていたのでエンジン始動を試みる。なかなかかからないが、これはスピン後よくあること。落ち着いて何度かクランキングするとエンジン再始動。
次に追い越し車線上に止まっていると危険なので、車が動くかどうか、まず前に進めてみる。リアが大破しているはずなので動かないおそれもあり、動いている途中で車線をふさぐかたちで止まるのが最悪なので、ガードレールにそって1-2m進め、動くことを確認。
後続車数台が通過し、切れたところで一気に車を動かし、路側帯へよせる。その間ガリガリゴトゴトすごい音がする。路側帯に寄せてサイドブレーキを引くと、手ごたえがなく引ききってしまう。
中央分離帯のガードレールを見ると、それもそのはず、リアタイヤ・ホイールがブレーキディスク(ハブ)ごとくっついた状態でガードレールに挟まっていた。つまり左リアタイヤがとれたので1輪だけで駆動して、下をひきずりながら移動、そのためガリガリゴトゴトという異音が。サイドブレーキが効かないのも納得。
110番をしようと携帯電話を取り出すと、後続から黄色い車がみえる。ハイウェイパトロールカー(バンタイプ)だ。止まってくれたので駆け寄ると、ニコニコしながらまずは110番して、とのこと(なぜかとても嬉しそうだった)。事故後1分もたたずにハイウェイパトロールカーのおかげで安全を確保でき、渋滞も引き起こさなかったのは不幸中の幸い。感謝です。
[リンク:高速道路での事故・故障の対応方法]
【事故対応】
携帯電話で110番すると
「事故ですか、事件ですか」
「怪我人はいますか」
「単独ですか、何台の事故ですか」
といったYES/NO形式で質問されるので答え、場所を伝える。高速道路の上り下り、キロポストをいう。今回は単独事故、怪我人なし。
同乗者を車から降ろそうとするが、ドアは開かず。フレームが圧縮されたため。運転席から降りるように伝える。外はまだ雨が降っていて、多少肌寒いが蒸し暑くもある。
次に非常電話で高速道路管理会社へ連絡。警察と同じく「場所はどこですか」と聞かれる(非常電話は場所を伝える機能がない模様)。ハイウェイパトロールは止まってくれているが、事故対応のためのハイウェイパトロールが派遣される(掲示板に「事故」とでかでかとでるワゴンタイプ)。
場所はどうやらキロポストよりも、どこそこSA/PAやICの次と言った方が分かりやすいらしい。
高速道路管理会社から保険会社への連絡とレッカー車の手配を言われる(事故車は早急に撤去するため)。
契約している保険会社、三井ダイレクトに連絡する。証書が手元になかったが、個人情報を伝えれば問題なし。レッカーサービスは30kmまで無料。その後は700円/1kmかかり有料。修理後、回送するサービス(費用上限あり)もあるとのことだが、いつもお世話になっている都下の修理工場で対応したいため、一旦電話をきる。
オーリンズのセッティング、OHでいつもお世話になっているガレージグループ4に電話して状況を伝え、車両移動、修理等について相談。一旦電話を切る。
ハイウェイパトロール車両到着、パイロンに矢印表示板が付近に設置され安全を確保。
警察が110番から50分たって到着。
警察の現場検証、といっても車ととれたタイヤ・ホイールをみるのがメイン。雨の高速道路での単独事故ということもあり、距離をはかったり、どこにぶつかったかといった詳細はなし(ガードレールにすら近づかない)。
事故時に何の操作をしたか執拗に聞かれるが、こちらとしてはハンドル操作もブレーキもなにもせず直進をしていて突然リアが流れたので何もしてない、というがそんなはずはないと詰め寄られる。
「天候でもない、道路でもない、車でもない、ドライバーが何かをしているはずなんですよ」
なんでそう決めつけるのか理解できず最初は戸惑ったが、ようやく警察の意図が分かりこう答えた。
「スピードを控えるべきでした」
スピードの出し過ぎ、という答えを望んでいたようで、うんうん、と納得しながら事故調書を作っていた。
(なお、雨だったためスピードは出しておらず、他車と同じ程度)
また病院にいくかどうか怪我の状況を聞かれたが、人身事故扱いになると違反点数、行政処分があるとのこと。物損事故の場合は自分の車以外ガードレールすら壊れていないし、現場検証が終わり次第終了、
(警察官)「その場でバイバイ」
とのこと。自分は首が多少痛いくらいで、同乗者に怪我の状況を聞くと大丈夫ということだったので物損事故に。これは人身事故扱いだと警察も面倒なので、この程度であれば避けているといった印象だがこちらとしてもゴールド免許がなくなるのは困るので利害一致といったところ。
免許証と車検証を出して、パトカーに来るように言われる。トランクを鍵であけると、ボンといってあき、二度と閉まらなくなった。
パトカー内で免許、車検証を渡し、同乗者と多少待つ。その間ハイウェイパトロールがガードレールに置き去りにされたリアタイヤホイールを撤去しにいくが、命がけである。しかもブレーキ、ハブ、ドライブシャフトがついているので相当重いはず。
▼中央分離帯ガードレールに残っていたタイヤホイール(ブレーキディスク、ハブ、ドラシャ付)
ハイウェイパトロールから連絡があり、早く事故車を撤去してほしいが、普通のローダーでは撤去できないのでユニック付(クレーン付)のを要請してほしい、とのこと。
ガレージから、長野からローダーがいく(サカイタイヤサービスさん)と連絡が入ったので、保険会社経由のローダーで近くのICまで事故車をもっていき、そこで積み替えることにする。保険会社にUNIC付ローダーを依頼、到着まで1時間ほど。
警察は手続きが終わり、早々に立ち去る。ハイウェイパトロールは事故車が撤去されるまで、現場で交通誘導を続ける。
1時間かからず、UNIC付ローダーが到着。案の定積み込みに苦労する。リアの牽引フックをUNICで釣り上げながらローダーに積み込み。その際フロントスポイラーをガリガリとしたたかにぶつけるが、致し方ない。
無事ローダーに積み込み完了し、ハイウェイパトロールと共に現場を去る。ICでは積み替え作業ができないため、UNIC付ローダーの基地工場で積み替えを行うことに変更。
基地工場に到着、15分ほど待つ。板金修理工場でもあり、事故に慣れている。工場の人は車をみるなり、
「これは相当手が入っているでしょう~(ニコニコ)」
私:はい、そのとおりです。
「うちも3台くらいS2000直してますけど、全部雨でスピン、後ろからいっているんですよね~。後期型になってリアサスペンションが変わって対策されてるからか、全部前期型、AP1ですね。」
私:やっぱりねえ。
「130万円くらいかけてうちでも直しましたよ」
私:やはりそれくらいかかるんですね。
「でも1輪でよく動きましたね、LSDは2way、1.5way?」
私:1way、クスコRSですがよく効きますよ(笑) ずりずりしながら路肩に寄せました。
・・・
ハイウェイパトロールの人にも、工場の人にも速やかに路肩に寄せた対応は褒められた。
高速道路上では左側が通行側だったので、ここではじめて傷の様子をまじまじと確認。ガードレールに斜めに後ろからぶつかりその後タイヤがサイドシルを押してホイール、サイドシルが変形。おそらくガードレールにタイヤがぶつかった衝撃と思われる。そしてハブがAアーム、コントロールアームを引きちぎり、ドライブシャフトをインボード側から引き抜き脱落、ガードレールにはまっていた。この時ブレーキホース、サイドブレーキワイヤーも引きちぎっているため、実際にはブレーキ効かず、ロアアームの抵抗のみで停車したようだ。リアショックは引きぬけたドライブシャフトが打ったらしくカップに凹みあり。マフラーは左タイコ部分が紙ペラのように完全にぺしゃんこに。
ガードレールにこすりつけて停車したため、サイド全面、リアフェンダーは当然、ドア、ドアミラー、フロントフェンダーまで損傷。
バンパーは左側の損傷が激しく、テールランプは完全に破壊、中のバルブは飛ばされて行方不明。トランクも左側が変形したためトランクリッドも変形。一度はあいたものの、もう閉まらない。
キャンプ用品を含めトランクは満載、左側に積んでいた新規購入したクッカーが変形して取り出せない以外問題なし。一番心配だった一眼レフカメラもとれるカメラバッグに入れていて無事。
▼とれるカメラバッグ | バッグからカメラ(一眼レフ)を素早く取りだすおしゃれなカメラケース abrAsus(アブラサス)
左フェンダーが全体的に押されて変形しているため、幌の左側がたるんでしまった。
しばらくして長野からのローダーが到着。積み替え作業を行う。
同じレベルにして直接ローダーからローダーへ、ウィンチでフロントを引っ張り、リアはUNICで持ち上げながら移動。
積み替え作業終了後、長野のサカイタイヤサービスへ高速道路で移動。その間とても時間がかかる気がした。
サカイタイヤサービスからは北長野駅まで送ってもらい、長野新幹線経由、大宮から埼京線・武蔵野線・中央線を使い帰宅。12:30に事故にあい、八王子の自宅到着は23:00だった。
【修理対応】
様々な転倒車両を起こしている実績のあるジイボ・ハウスはS2000のボディ補強や板金でいつもお世話になっている。損傷写真をガレージ経由で送付し、粗見積。
▼ZIIBO-HOUSE Total Body Service
▼参考⇒キヤノンEOS7D サンプル写真3ラリーがZIIBOインプレッサ
▼S2000 整備記録:ボディ補強・ワンオフ強化バー取付け・デフマウント強化など ([の] のまのしわざ)
見積金額はほぼ想像どおり、車両保険金額では足りず多少持ち出しがあることが予想されるものの、許容範囲内。乗換も考慮したが、
・車両保険金額では同年式12万キロ走行の車しか買えない(現在5万キロ)
・今となってはS2000は希少、名車なのでなるべく個体を現存させたい
ことから修理する方向へ。
【謝辞】
今回色々とお世話になったガレージグループ4さん、サカイタイヤサービスさん、本当にありがとうございました。
ジイボハウスさん、お手数をかけますがどうぞよろしくお願いします。
なお、乗員の私と同乗者(子供)は多少首が痛い、たんこぶができた程度で無傷です。ご心配をおかけして申し訳ありません。
(つづく)
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