やりすぎ注意でした。
そもそもスプリングレートをF 20kg、R 24kgと最強にしたのがはじまり。ノーマルのボディではこの入力にまったく歯が立たず、ボディが大幅にしなりやたらお釣りを食らって下手だなあと落ち込んだこともありました。
筑波サーキットコース1000(TC1000) 走行記録 ([の] のまのしわざ)またカウンターを当てるのが下手なのが顕著で、リア出たら振られてしまうのはかっこ悪いです。
▼S2000 整備記録:ボディ補強・ワンオフ強化バー取付け・デフマウント強化など ([の] のまのしわざ)
ところがボディ補強+ワンオフ補強バーを前後に入れたところ車の動きが見違えるよう! カウンターステア自由自在です。
筑波サーキットコース1000(TC1000) :すべての基本はボディ剛性にあり ([の] のまのしわざ)結局スプリングレートをあげすぎて、バネの強さにボディが負けてしまい、ボディ自体がバネのようにしなるようになってしまったのでしょう。力がたまってしなったものの振り返しが出てしまっていました。今回ボディがしっかりとしたためにフロントの動きとリアの動きが一致し、非常に運転しやすいというか、動きが予想どおりというか。まさにこれは面白いです。やはり車はボディが基本なんですね。
すっかり堅い=動きが読めて運転しやすいということに味をしめ、今回巷で好評の「リジッドカラー(リジカラ)」を導入してみました。
▼S2000メンテナンス:ハンドリングと乗り心地向上への長い道のりのはじまり ([の] のまのしわざ)
リジッドカラーとは。
リジッドカラーとは? - RIGID COLLAR onlineshopリジッドカラー開発へのプロセス。
そのスタートはボディとサブフレームとの締結強度にあるガタの発見からでした。
長い間見過ごされてきた、ボルト穴の隙間と面合わせのズレが生むネガの数々。
サブフレームがボディにしっかり固定されていない量産車状態ではクルマの直進性がスポイルされる、また、締結部がズレてコーナリング時などにはハンドリングが不安定になる…(中略)
サブフレームとボディとの締結強度を上げるテストを重ねた結果、レースでは飛躍的にハンドリングが向上したのです。
もともとこの取り付け穴の「遊び」は量産過程の産物。組み立てロボットがボルトを締めるときにある程度の公差を許容して取り付けが可能にと一回り大きく作ってあります。いったん規定トルクでボルト止めしてしまいばそう簡単にズレたりするものではありません。しかしレース車などではズレやガタをきらって溶接しちゃうという話しもあるくらいで、ハンドリングには影響しそう。
部品自体はとてもシンプル、アルミ製のカラーをフロントサブフレームに6か所、リアに6か所の12か所に取り付けるだけです。これで遊びがほぼ皆無となり、ソリッドになるという仕組みです。
簡単といってもメインフレームとサブフレームの間にいれる必要があるので、いったんすべての締結ボルトを少しだけ外して、狭いところにカラーをねじ込みボルト止めをしなおすという手間のかかる作業。部品はシンプルで安いのですが、手間も工賃もそれなりです。
そんなわけで大変な思いをされて取り付けて頂いたのですが、効果のほどはというと…
微妙~
謳われたメリット、操縦性の向上や騒音(ボディドラミング)の低下があるのですが、感覚ではまったくわからず。おそらくボディ剛性の向上はすでに施したボディ補強や、同時に再装着したフロント強化バーの方が圧倒的に効いてて、そもそも滅多なことではズレることがない取り付け穴の遊びがキッチリしたとしても、体感できるほどの差ではなかったのでしょう。
一方で騒音の方ですが、同時に行った整備でアッパーマウントを交換したのですが、ピロアッパーマウントを通して聞こえてくる「ガタゴト」音がなくなって他の音がたくさん聞こえるようになりました。
具体的には発進停止時の「コキッ(後ろから、発進時)」「パキッ(多分前、停止時)」という単体の音。そして走行中、段差などで伝わってくる乾いた騒音。悪い路面を走った時には顕著です。前者の「コキッ、パキッ」という音は駆動系、おそらくドライブシャフトとプロペラシャフトと思われます。後者はエンジンや駆動系の音が変質して伝わってきたよう。
デフカラーマウントを入れたときにも気付いたのですが、こういった強化パーツは走行したときのフィールや手ごたえ以上に「音」となってあらわれてきます。デフカラーマウントの場合は振動はさほど増えませんでしたが、騒音は明らかに増えてしまいました。
ようは強度が高くなると伝達がよくなって、それが音になるんですね。周波数が高くなるというか、「カーン」が「キーン」になるといった感じ。
なのでリジッドカラーはボディ剛性アップというよりも、エンジン・駆動系からの振動と路面から受ける振動をダイレクトに伝え振動・騒音周波数が高くなるという変化が大きい気がします。
NVHは
・ノイズ:自らが発生する騒音
・バイブレーション:自らが発生する振動
・ハーシュネス:外から受ける振動
ですが、これらに作用して結果(新しい)ノイズになって帰ってきたといった印象。マウントやブッシュにゴムが多用されるのは振動を抑える他に騒音を伝えにくくするという狙いがありますが、その曖昧さを嫌って堅くするとしただけ騒音が増えるというジレンマです。
ボディが堅くなればなるほど、ボディがたわまないのでサスペンションがよく動く、とおもってやったのですが今回でわかりました。
動かないサスペンションは、そもそも動かない。
サスペンションアームにもゴムブッシュが使われていますが、そもそもこのネジレが原因で動かないのであれば、多少ボディ剛性がアップしたところで動かないんです。乗り心地が変わるのはハーシュネスによる固有振動数が変化するためで、それが良くなったと感じられるのではないでしょうか。
で今回S2000に導入した結果ですが、振動以上に騒音の質が変わったことが気になりました。音が大きくなったわけではなく、なにか共鳴するような感じの音というか微かな振動というか。特にNVHの悪いオープンカーでしかもスポーツ。色々な音が車室内、外問わず入ってくる上ダイレクトな構造。そのためにちょっとの違いも顕著に感じられます。デモ動画で使われていた欧州車は遮音性が高く車内に伝わりにくいため、デメリットが目立たないのかも知れませんね。
リジッドカラーのメリット・デメリットはボディ補強やパフォーマンスバーをつけてない、普通のボディ強度、ノーマルカーの方が違いがはっきりしそうです。
実際にEG6シビックへリジッドカラーを入れた方のレポートを紹介します。
サブフレームリジッドカラー(SPOONリジッドカラー取り付け(後編))SPOONサブフレームリジッドカラー動画をみて
(http://www.youtube.com/watch?v=c1zuDJ76TGY))疑問1 ”サブフレームとは、走行中に動いてしまうの?”
自動車メーカーはフレームが動いてしまうような甘いボルト固定をしているのか?
サスペンションアームを支持するサブフレームが動いたと仮定すると、車は真っ直ぐ進むことは困難。 サブフレームを固定するボルトはシビックEG6では8本もありしっかり固定されていました。 SPOONが動画で説明するサブフレーム固定ボルトの動いた跡とは、ボルト締め付け跡と思われます。 リジッドカラー取り付けだけでハンドルが1.5mmずれたことから、 走行中に動いてたなら、車は真っ直ぐ進めないのです。疑問2 ”リジッドカラーを取り付けるとボルトの穴が完全に埋まるの?”
埋まりませんでした。 リジッドカラーを直接ボルトに通すと、1mm近い遊びがありました。 取り付け箇所にはめ込んでも遊びは1mm近くあったようです。 閉めこむとこの遊びは埋まるのか? そうは思えませんでした。 リジッドカラーのかさの部分が、動画のように大きく伸びてるとも思えませんでした。
疑問3 ”サスペンションの収まりが速くなり、乗り心地は増すのか?”
動画のように極端によくなったとは思えませんでした。 多少よくなったかな?程度で、人によってはプラシーボ効果ともいうかも知れません。 交換直後、確かによくなったのを体感はしたのは事実ですが、 それよりハンドルのセンターの狂いが物凄い違和感がありました。 そのため、ほんとに効果を体感したのは、4輪ホイールアライメント調整とその直前のオイル交換後で、 アライメント調整効果が色濃くでる可能性があります。 サブフレーム効果だけではないのです。
疑問4 ”リジッドカラーによる本当の効果は?”
サブフレームは、フロントサスペンションの支持部でもあり、ロアアーム、スタビライザー、ステアリングラックまで接続されています。 サブフレームを下ろすには、このすべてを切り離すことを意味します。 そのためリジッドカラー取り付け時は、すべての支持部で取り外す前よりもしっかりボルト止めされることになります。 そして増し締めもすることになります。 よって、ハンドル操作性はラック増し締めであり、サスペンションの変化は各ボルトの増し締め効果です。 シャーシ系の整備書をよく読むとわかりますが、ボルトは焼入れされた硬いものですが、僅かに伸びるのです。 この伸びがあるため、シャーシ系の負荷のかかるボルトは一度増し締めしておいたほうが締結強度(剛性)が増すのです。
私のシビックEG6は、殆どのチューニングパーツがSPOON製であり、SPOONは好きですが、 今回の製品は誇張し過ぎてるように見えました。 自分で整備しないと真実は見えないため、鵜呑みにせず効果要因を考えてみるのもよいかと思います。
・・・
さて、簡単にいってしまうと硬くなりすぎてしまった我がS2000ですが、対策はというと、
・リジッドカラーを外す
・ボディ補強パーツを外す
が考えられるのですけど、せっかく取り付けたパーツ。もったいないし、外してまたボディがブルンブルンしてお釣りを食らうのも嫌だし、どうしようと思っていたらいいのを思い出しました。
そうです、パフォーマンスダンパーです!
(トヨタ東京大学校・学園祭にて)
こちらがパフォーマンスダンパーの模型。右側のを持ってハンマーでたたくと
「キーーーーーーン…」
と金属音が反響し、残響します。ところが左側のパフォーマンスダンパー装着のものをたたくと
「コン」
と一瞬で収束。うぉぉぉぉぉ、これだ、これだよ!
NISMOパフォーマンスダンパー試乗 ~雑味のない上質感~|チューニング|GT-Rウェブマガジン GTR-WORLD.net現代のクルマは、スチール鋼鈑で構成されたモノコックボディが主流。簡単に言えば、鉄板で作られたハコなわけだ。このハコのある一箇所にハンマーなどで衝撃を加えるとハコ全体が振動する。釣鐘を叩いた時のような状態を想像していただければ分かりやすいだろう。ゴーンと鐘は鳴り、しばらくは振動が続く。
パフォーマンスダンパーはこの振動を吸収させる機能を持ったパーツなのである。その構造はシンプルで、従来のタワーバーに超微低速で高い減衰力を発生するダンパーを組み込んだようなもの。このパフォーマンスダンパーを釣鐘の開口部に装着すると振動は瞬時に収まり、ゴンという乾いた音になるわけだ。
▼FET|COX ボディダンパー(ヤマハ パフォーマンスダンパー)
車は鉄板を張り合わせてできているので、全体的に「バネ」になっているようなもの。一番最初に説明したように、硬いスプリングをいれたらお釣りをくらってしまうのは、ボディがしなりバネとして作用した結果。ボディを硬くしていっても結局バネには変わりなく、ボディの硬さが乗り心地と騒音悪化の原因にもなっています。
そこでこのパフォーマンスダンパーを装着すると減衰するという、そういうワケです。
開発したヤマハ発動機の論文に詳しいです。
▼(PDF)⇒コンポーネント技術特集「パフォーマンスダンパーの開発」効果
パフォーマンスダンパーの効果は一言で言えば「上質な走り」である。もともと上質な走りの車はさらに上質になる。
一般に操縦安定性と乗り心地の両立は永遠の課題であるが、パフォーマンスダンパーは操縦安定性向上と同時に乗り心地と静粛性も向上する。
これらの理由はもちろん「車体性能の向上」にある。剛性による車体性能の追求には限界があり、いたずらに車体重量を増加させる恐れもある。パフォーマンスダンパーを車体剛性適正化と合わせて使用すればこれまでに無い高い車体性能が得られるとともに、トータルとしての車体重量の軽量化も可能となり動力性能および燃費性能にまで効果が及ぶと思われる。
また簡素な構造と取り扱いの容易さから、他の性能向上システムと比較した開発費用は極めて少なく、部品単価と合わせたコストパフォーマンスは近年類を見ない。
以上の効果をまとめると、
・ 走りの質感向上
・ 運動性向上
・ 安定性向上
・ 乗り心地向上
・ 静粛性向上
・ 高いコストパフォーマンス車体の軽量化が実現すれば、
・ 動力性能向上
・ 燃費性能向上
という効果も生まれる。
確かに硬くしなくてもボディのしなりを吸収してくれるのであれば、不安定になってお釣りを食らうということもなくなり、コントロールしやすくなりそうです。
取り付け箇所についてもさまざまなパターンを試みた。・ サスペンションタワー間
・ バンパーリーンフォースメント
・ リアシート取り付けフロア部
・ サイドメンバー間
・ サイドメンバー前後方向結論から言ってどこに取り付けても効くのである。自動車の車体はバネ要素の集合体であるから全体が連成した振動をしており、一箇所にダンピングを与えれば全体の振動状態も変わる。それらは微小な振幅の変化であるにもかかわらず走行性能には大きな変化として感じ取れる。現在でもさまざまな箇所がテストされ、次々と面白い結果が出つつある。
「どこに取り付けても効く」というのは興味深いですが、U字型の音叉を思い浮かべるとやはり大きな開口部をふさぐ形で設置すると一番効果が高そうです。フロントサスペンションタワー間とか。
ちなみにヤマハ発動機のマークは音叉を3つ重ね合わせた形をしていますから、そういう意味でも運命的な発見ですね。
ということでネガがはっきりわかったので、次はこのパフォーマンスダンパーを模索していきたいですね。問題はコスト・・・お安くないです。
パフォーマンスダンパー導入例)