FT-86はアルテッツァの二の舞? 気になるミッションとデフをおさらい

FT-86への期待が高まる一方、不安視する声も上がってきています。この期待感と不安感は10年以上前アルテッツァがデビューしたときによく似ています。そこで今回はアルテッツァについて何があったのか、おさらいしましょう。

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【アルテッツァとは】

2リッター3S-GEエンジンを搭載、NAで210馬力を発揮。これに6速マニュアルを組み合わせた RS200がスポーツモデルとして登場。MR-2(SW20)と同じ3Sエンジンながらもターボは装着されず。そのためパワーを求める声に応じてボルトオンターボモデルがトムスから、各社から各種パワーアップパーツが発売されました。

トヨタ・アルテッツァ - Wikipedia

ディーラー販売モデルとしてトムスによるボルトオンターボ仕様車280Tやモデリスタによるクオリタート(Qualitat)などが存在していたが、これはトヨタ系のディーラー及びメーカーによるカスタマイズ販売としては先駆けとなった車である。

パワー向上のため、直列6気筒の1JZ-GTE型エンジンや2JZ-GTE型エンジンへのスワップ[3]、さらに大幅な改造を施してRB26DETT型エンジンを搭載した例もある。また日本国外では、セルシオ (LS430) などが搭載するV型8気筒エンジンに換装された個体も存在する[4]。

ところが…

発売当初はFRスポーツをアピールしていたこともあり、ライトからヘビーまで様々なチューニングベースとして使用された。ただ初期には車自体のキャラクターとユーザーの想像とが乖離していたことと、ミッションやデフのキャパシティが低く、改造した際の破損率が高かった事から、アフター業界ではバッシングの対象になってしまったこともある。

私も浅間台スポーツランドで走っていたアルテッツァ280T(ターボ付き)が目の前でデフブローしたのを見たことがあります。

やはりそういったことからデフ、そしてミッションについて不安視する声が少しづつ上がってます。

【みんカラ】 FT-86、買うべきクルマになりうるか!?|Heartbeat Owner's|ブログ|carisma-GT - 車・自動車SNS(ブログ・パーツ・整備・燃費)

FT-86&BRZってどうなの?期待していいのかなー

ターボ版を1年遅れてもいいから出してくれればいいんだけど・・・。

もしメーカーがやらなくても、どこかのショップさんでターボ化やってくれるだろうけどね。

アルテッツアのミッションって、300馬力くらいなら、問題なく使える?

デフはトヨタが新しく作ったとか書いてた気がするけど、強度とかオイル容量とか、

あとあとのことまで考えてくれとるのかな?

【トヨタ】FT-86/BRZ 17台目【スバル】

239 :名無しさん@そうだドライブへ行こう:2011/09/26(月) 14:34:54.26 ID:KhDfPPYM0
このFTも199万仕様買って、エンジンEJ20に載せ換えればいい

中古EJなんていまは安く買えるだろ


245 :名無しさん@そうだドライブへ行こう:2011/09/26(月) 15:38:41.36 ID:z0qH30fD0
»239
ミッションとデフが壊れるな。

コストダウンの為にアルテッツァ流用だから25kgm以下じゃないかな?

BRZのターボ化?|パインのレッドゾーン!

ただ、ターボ化は無理ではないが、エンジンだけが負荷に耐える事ができても、他の部分がどうやら怪しいですね。

特に一番厳しいのがミッションです。

どうやらこのミッションはアイシンの6速ミッションで、かの有名なアルテッツァにも搭載していた強度的に残念なミッションです。

要するに、ターボ化した250馬力(あくまで仮の数値)オーバーのパワーに耐え切れない、耐久性が弱いミッションなのです。

アルテッツァはNAなので、どんだけいじってもターボ車の様に大きなパワーを得るのは難しく、強化ミッションを組む必要は無いですが、それでもミッションが弱いと言うのは有名な話。

ドリフト等、激しい走行する方は、よくミッションブローすると嘆いていました。


【みんカラ】 FT-86 IIコンセプト|幸せレスポンス|ブログ|altezza_g - 車・自動車SNS(ブログ・パーツ・整備・燃費)

駆動系はSUBARUの水平対向4気筒にアイシン製6MTの組合せとのことですが、エンジンはともかくアイシン製6MTと言えばアルテッツァと同じあのミッションなのかな?

これでもしまたあの13kg近くもあるフライホイールを採用するとしたらFT-86にはもはや期待するものは何もないですね。アルテッツァの教訓が何も生かされていないFT-86、というかトヨタのクルマ作りには疑問を感じます。5MTにするだけであんなに良いクルマになるのに。

トヨタがFT-86で何をしたいのかさっぱりわかりません。

アルテッツァの6速ミッションはギア比がクロスしていない、というか1-2, 2-3が離れていて 3-4がクロスしているという状態。そのため1, 3速を変更して全体的にクロスさせるためのクロスミッションがTRDから発売されていました。

またWPC加工のファイナルギアもラインナップされています。ただしやはりここでもデフの容量不足が問題のようで、デフオイルクーラーキットも発売されていました。

デフオイルクーラー | TRD アルテッツァ用デフオイルクーラーキット

■サーキット走行時の油温上昇およびオイル噴出を防止し、L.S.D.の性能を安定的に引き出します。
■WPCファイナルギヤセット(ギヤ比 4.556)を装着し、ローギヤード化されたアルテッツァでサーキット走行をする際の、性能安定と破損防止のための必需品。

こういった実状から、実際にアルテッツァ・オーナーになってガックリするケースも。

アルテッツァって - 国産車 - 教えて!goo

乗ってみましたが、一気に冷めました。
まず、あれほど宣伝していたミッション(6MT)がひどすぎました。
ギア比が変で、とにかく運転しにくかったです。
TRDからクロスミッションがすぐに発売されていましたが、実は1速と3速だけでした。
要するにノーマルの修正用のギアだったのでしょう。
車重の割りにパワーもありませんし、幼稚な演出の内装で「スポーツ」を表現しているだけでした。
若い人には物足りない性能で、大人には子供臭いデザインでした。

評判が悪かったのは、発売前にメディアを使ってあおりすぎたのが大きいでしょう。
トヨタらしく、著名なドライバーや数々の雑誌の記事で、まるで理想のスポーツセダンかのように持ち上げました。
実物を知れば誰でもがっくり来ますね。

ノーマルで乗るとギア比が気になりクロスミッションが欲しくなり、パワーアップするとデフブロー。これではターボ版がメーカーからでなかったのも頷けます。

FT-86でアルテッツァのミッション、デフを流用するというのが本当であればこれは由々しき事態です。せっかくドライビングやチューンナップを楽しもうと思っても、壊れないための改造、もはや「チューンアップ」ではない単なる予防措置、「耐久品質」の領域に。

ではなぜこんなことが起きてしまうのか? それはトヨタに根差す「過剰品質」への思想から。

トヨタはなぜ2兆円の黒字から赤字に陥ったか | 実践ビジネススクール

ところが、持続的技術による進歩、すなわち「持続的イノベーション」は時として市場が必要とする以上に性能を高めてしまうことがある。

このような「性能の供給過剰」が発生する前後では、企業の取るべき施策は異なってくる。要するに、図の交点Aの左側の場合は着実に品質改良していけば消費者の期待を満たし最善の戦略となるが、交点Aの右側になると、いくら改良しても消費者は「もう十分」と感じる。

そこでさらなる性能の向上や新機能を追加しても、消費者はそれに対価を払おうとはしない。この場合、品質や新機能をアピールしてもナンセンスで、新しい市場を創造していくようなやり方をしていく必要がある。

この考え方を当てはめれば、トヨタの収益性悪化の背景には、とくに日本を筆頭とした先進国市場において、カイゼンという持続的イノベーションによって過剰品質に陥り、収益性が上がらなくなっているという要素も潜んでいる。

ソースは不明なので真偽は分かりませんが、この過剰品質に対して当時の奥田社長が株主総会でこんな発言をした、とされています。

トヨタ危機回避?:中韓を知りすぎた男

このトヨタファン一筋の私が奥田碩前社長が株主総会で

「車は5年保てば十分なんです。それ以上の過剰品質は見直し、コストの適正化に努めます」

という言葉を聴いて、トヨタはとんでもない男を社長に選んでしまったと
感じました。

(下記はアンサイクロペディアです、念のため)


奥田碩 - アンサイクロペディア

社長時代に株主総会の席で株主への説明において

「例えばクラウンのオーナーなんて大概5年で買い替えるんですよ。ならば5年持てば十分でしょう。過剰品質については徹底的に見直し、コストの適正化に務めます」

と発言して過剰なコストダウンで利益を増やして配当についても増額を目指すとした。これによって卜ヨ夕自動車の株の配当額は奥田が来る前の約40倍に跳ね上がった。

もし過剰品質を抑制し、コストを適正化(トヨタの利益を最大化)するのであれば、200馬力 NAエンジンにあう「ギリギリ」のキャパシティのデフが装着しているのも、アルテッツァの6速ミッションを流用するのも理にかなっています。

しかしながらハチロクといえば走りのクルマ。チューンアップ前提のベース車としてその「過剰品質」がかつてのトヨタの売りであり、ユーザーが求めていること。多少のことでは「壊れない」、交換パーツが豊富で価格がリーズナブルというのがチューンの前提条件。

当時ライバルが

「○○○はエンジンはいいけどボディがね~、鉄板ペラペラだし」

「○○○はガラスのミッションですぐにダメになる」

といった中、安くて丈夫で軽快というのが良かったわけですよ。壊れて直す、もしくは予防的に壊れないようにパーツを装着するというのはお金がかかるだけで、そもそもの「安く楽しむ」といったところから乖離していきます。

この耐久品質でスバルがBRZ(FT-86)のターボ版、出せるのでしょうか?

アルテッツァが期待されていたのに、実際には肩すかしをくらって掌返し、バッシングされてしまった経緯をみるにつけ、同じ轍を踏まないことを祈るばかりです。


■こちらのエントリーも合わせてどうぞ⇒ハチロクに似ていない FT-86は本当に売れるの? パフォーマンスと商品性とターゲットユーザーと。