ほんと、寝ても覚めてもテスラのことばかり考えてます。これはもはや恋? それとも…
今回はテスラ・ロードスターの内部に迫ってみます。まずはスペック(諸元)から。
Tesla Roadster Sport(諸元)
全長/全幅/全高 3,946mm/1,720mm/1,127mm
車両重量 1235kg(バッテリーパック 450kg)
乗車定員 2名
動力 テスラモーターズ製交流誘導電動機
最大出力 215kW(288hp)
最大トルク 400N・m(40.8kg・m)
最大航行距離 394km
最高速度 200km/h
0-97km/h加速 3.7秒
製造事業者 Tesla Motors, Inc.主要装備:
カーボンファイバーボディー
ブラックソフトトップ
ソーラーガードフロントウィンドウ
LEDテールライト
鍛造アルミホイール(フロント16インチ、リア17インチ)
調整機構付きスポーツサスペンション(10段階)
パンク修理在
シートヒーター付スポーツシート
タッチパネルインフォメーションディスプレイ
エアコン
本革巻き3本スポーク・スポーツステアリング
パワーウィンドウ・セントラルロックシステム
クルーズコントロール
インダッシュオーディオヘッドユニット、4スピーカーサウンドシステム、USBオーディオポート
4センサー&4チャンネルABS
トラクションコントロール
タイヤプレッシャーモニタリングシステム
前後衝撃吸収ゾーン
運転席・助手席エアーバッグ
衝突安全ボディー
サイドインパクト・ドアビーム
シートベルトプリテンショナー
hっどレスト一体型シート
盗難防止装置&イモビライザー
不正使用防止セキュリティPINコード機能
速度・走行抑制機能付きバレーモード
例感じ(約20℃まで)バッテリーヒーター
スペアモバイルコネクター(100V15Aまで利用可能)車両本体価格 14,815,500円(消費税抜き本体価格 14,110,000円)
車体自体はロータスエリーゼをベースにしており、サスペンション、タイヤ、ブレーキ関係もほぼ同じ。
Lotus Elise S - LCI Limited - ロータス正規輸入総代理店ブレーキ形式 ABSシステム
前:APレーシング製 2ポッドアルミ合金製キャリパー
後:ブレンボ製シングルピストンキャリパー
ブレーキディスクサイズ 前後:288mm
タイヤ YOKOHAMA ADVAN NEOVA AD07 LTS
タイヤサイズ 前:175/55 ZR16 後:225/45 ZR17
ホイールサイズ 前:5.5J×16 後:7.5J×17
おそらくベースグレードのエリーゼと共通。ちなみに1.6Lのエンジン出力は136ps、車両重量は900kg。
Lotus Elise S - LCI Limited - ロータス正規輸入総代理店車両重量 900kg
最高出力 100kw(136ps)/6800rpm
最大トルク 160Nm(16.3kg/m)/4400rpm
最高速度 204km/h
つまり重量はエリーゼに対し、335kgほど重くなっています。運転席後部のミッドに積まれるバッテリーパックが450kgということですから、重量増はほぼこのバッテリーの重さで、しかもほとんどがリアタイヤにかかるということに。
重いといっても1235kg、S2000やMINI Clubmanよりも軽いという事実。そしてテスラはこのバッテリーパックにヒミツがあったんです。
バッテリーの荷重はリアにどっかりとのしかかり 0-96km/h加速3.7秒というゲキハヤ加速ですが、重量バランスのおかげでガッツリとトラクションがかかっています。ここにミッドシップというレイアウトの良さがあらわれます。
次にこのバッテリーの中身。Panasonic製リチウムイオンバッテリー 6831個を積んでいますが、Panasonic製にしたのは高性能なのもありますが、品質が高いのも理由のひとつ。それぞれのセルのばらつきが非常に少ないという点です。
これは電動ラジコンやミニ四駆にも共通するノウハウですが、セルのバラツキを抑えて揃えるのは常識。ラジコンレースではそのためにバラセルをたくさんかってきて、バッテリーチェッカーで性能をはかり、均質になるように選別するといわれています。
次にセルの冷却の問題。
バッテリーは充放電すると発熱します。この発熱がバッテリー自体を劣化させる原因で、ラジコン用高性能充電器には温度センサーや冷却ファンやついて制御するほどです。
バラセルでなく、通常のバッテリーパックの問題点はこのセルをシュリンクパックでまとめている点。どうしても熱がこもりやすい中央部のバッテリーが痛んでダメになってしまうのです。
テスラはヒミツはこのバッテリーパックの温度管理にあります。
バッテリーパックといっても、セルごとにデッドスペースとして隙間があるらしいのですが、その隙間に冷却液を流し込み、温度を一定管理。常に30℃~35℃になるようにしているというのです。それも走行時だけでなく、駐車しているあいだずっと!
つまりシステムは常時スタンバイで生きており、冷却液は常に循環しているのです。
一見普通のボディカバーのように見えますが、よくみるとメッシュで隙間があいています。このボディカバーは屋内用の埃防止カバー。
ボンネットのルーバーはラジエータの熱を抜くところ。そうなんです、テスラの水冷システムはモーターを冷やすだけではなく、バッテリーの温度管理がメインなんです。
ボディサイドのエアインテークもメッシュ穴があいており、空気を取り入れることができますし、ボディカバーをしたまま充電・通電が可能。
これはひとえにバッテリーのパフォーマンスを引き出すことと、寿命を延ばすため。我々が通常使っているノートPCやiPhoneのリチウムイオンは寿命が2~3年しかありません。これは充放電で熱をもって劣化してしまうため。しかしガジェットのライフタイムも数年でコストを考えれば、仕方ないでしょう。しかしテスラはこの部分をマネージすることでパフォーマンスと耐久性を両立したのです。
そしてもちろんここはパテントの塊。
ある意味、テスラ社第一号車のテスラ・ロードスターはこの技術を実証するためのテストモデルと考えることもできます。そのためにフレームはアルミ、カーボンの外装、そして400km近くを走行できる巨大バッテリーをミッドシップに搭載。0-97km/h加速を4秒切るというパフォーマンスをたたき出すことでEVの、テスラの潜在力を見せつけてきたのです。コワい、これはコワい。
テスラ・ロードスターのテストドライブを担当していたプロドライバーの方が「こんなクルマ、もう出てこないよ」といってた意味がようやく分かりました。
そしてこの加速力と静粛性とパッケージングに「ヤラれて」買っちゃった人の気持ちもよく分かります。だってこの出足で、無音で、しかもオートマというかギアチェンジしないんですよ。極論すれば奥様でも運転できるリアルスポーツなんですから。その上運転がつまらないかというとそんなわけもなく、ロータス譲りのミッドシップの俊敏な運動性とコーナリングを楽しむことができるわけです。これはいうことない!
同じ価格帯でいえばポルシェやフェラーリが並ぶわけですが、燃費や騒音を考慮せざるを得ません。エンジン音はもはや騒音ですよ。そりゃ個人的にV型8/10/12の高らかなエンジン音は好きですけど、極論すれば暴走族の直管マフラーと同じ騒音。どっちにしたって反社会的行為です。
反社会的行為はスピードもあるのですけど、実は音。暴走族がスピードださずに、どちらかというと信号無視や騒音がメインという点からもよくわかります。無音で速く、ガソリンも食わないなんて、それどんな裏技!
とか考えちゃうともうEVしかありえないわけですよ。
この10年、日本のスポーツカーは暗い歴史しかなく次々とモデルが消滅する始末。あのNSXもデビューから20年以上が経とうとしてます。NSX貯金をしてたくらいNSXが欲しいのですが、未だ届かず。相場は下がらず、貯金は増えず。まったくもって手が届く気配がないまま年月がたってしまいました。そしてこれからさきNSXはどんどんと加齢してくわけです。
ところがこのテスラ・ロードスターはこのNSXよりも軽く、パワーもあります。フレームは同じくアルミ、そして外装はフルカーボン。電子制御、いやそもそもパワーソースからオール電気。未来じゃないですか。NSXは未だ憧れですが、今の興味は確実にテスラに向いてます。
ロータス・エリーゼやエキシージもいいですが、テスラの方がデザインが好き! ここ大事なポイントです。
特に全長が伸ばされて流麗さが増したことと、ロールバー部分がブラックアウト(実際にはカーボン)されているのが締まってみえて最高。フロントのベンチレーション用ルーバーもサーキットの狼「フェラーリ・ディーノ・レーシングスペシャル」風でいうことないですよ。
ということで、NSX貯金はそのままテスラ貯金にすることにしました。えっ!?
やっぱ未来に向かって生きたいですよね。懐古趣味はまた別途。
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【ギズモードにも書いたよ!】
冷やかし大歓迎! EVスポーツ、テスラ・ロードスターにのってきたよ(動画あり) : ギズモード・ジャパン
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