今回は大型可変ウィングをフロントに装着し、ダウンフォースがどれくらい発生するかの実験です。
【前回までの研究内容は以下から】
ミニ四駆の空力(ダウンフォース)を研究する(その1) ([の] のまのしわざ)
ミニ四駆の空力(ダウンフォース)を研究する(その2) ([の] のまのしわざ)いよいよフロントをどうにかしたいですね。ストレーキやカナードが効果あるのか、試してみたいです。
今回犠牲実験台になったのはVSシャーシ「デザートゴーレム」。Fバンパーに装着した弓形FRPに、取り付けするのに丁度いい穴があいていたためです。
それにしても雪かき車か、ブルドーザーにしかみえません、、、リアはキャタピラの意匠だし。
斜め後ろからみるとこんな感じで、結構ハイマウントです。
では早速いつもの風洞実験です。
+1.5g/+0.3gのダウンフォースが発生しています。ただちょっと微妙な値ですね。
■ミニ四駆の空力(ダウンフォース)を研究する ([の] のまのしわざ)
小型リアウィングだけの場合は-0.2g/+0.9gとなっていたので、フロントは確実に抑えられました。
一方で風の流れが変わったためにリアのダウンフォースがさほど得られなくなってきています。ハイマウントにした影響がでているのかもしれません。
フロントウィングの重量とあいまって、前後の重量バランスは5:5とほぼ同じ。都合10gフロントが重くなった計算です。
次に同様の装着方法でMSシャーシに装着した場合の実験結果です。
+1.0g/-0.5gという結果でした。送風の向きをかえるとダウンフォースが著しく減ったり、特にリアウィングの角度と送風の向きの関係が非常に微妙で、まとめるとダウンフォースを得にくかったです。
またリアはリフト傾向がみてとれますね。ノーマル状態では -0.2g/+0.4gという結果なので、フロントとリアのダウンフォースが逆になってしまいました。
これはバイソンマグナムの場合ボディ全体でリア側にダウンフォースを発生していたところ、フロントウィング装着の結果ボディに風があたらなくなってしまい、リアのダウンフォースを失ったとも考えられます。
最後にフロントモーターのスーパーFMシャーシ。こちらは工作用紙を使い、ボディにスポイラーを作っての計測です。
+1.2g/+0.1gとなかなかの結果。もともとが-0.2g/+0.1gだったので、見事にフロントのみダウンフォースが増えた結果となっています。重量が前回計測の68.6g/70.4gから6gほど少なくなっていますが、これはタイヤホイールの種類が変わったため(小径オフセットタイヤとホイール)です。
ボディにスポイラーを付けるのは軽量にできるので、効率的な空力性能アップとなりそうです。
総括すると、
・可変大型ウィングをフロントにつけても、大きなダウンフォースは得られない
・ボディ、リアウィングへの風の当たり方が変わり、リアのダウンフォースに影響がでる
・ボディ密着型のスポイラーは効果は大きくないが、効率的
といったところです。形状や位置を含めて、今後も試行錯誤していきたいですね。