先日から Nikon COOLPIX S50Cを借りて使っています。このモデルはブロガー向けモニタープログラムがあり、色々な意見やフィードバックがブログのエントリーになったことで一部有名です。
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様々なエントリーや、意見を直接聞いていたのですが、今回借りて使わせてもらってようやく意味が理解できました。もはやカタログだけでは何も伝わらない時代に突入したな、と。
このデジカメ、スペックは素敵です。薄型軽量、レンズシフト式手ぶれ防止機能、7.2MピクセルCCD、光学3倍ズーム、顔認識、高感度ISO1600、3型大型液晶。そしてトドメは無線LAN機能内蔵です。まさに高スペック、さらにはこれだけの機能が3万円しないで手に入るのですから驚きです。
ところがいざ使ってみる、早速頭の上にでっかい「？」マークが。電車の中で設定画面をいじっているだけで、撮影もしない状態で色々腑に落ちないことが発生しました。その根源がMODEとMENUボタン。
撮影時、MODEは撮影モード切替を行うことができるのですが、選択肢は
・通常撮影
・高感度撮影(Hi ISO)
・シーンモード(SCENE)
・音声レコード
・動画
・セットアップ
があります。一方MENUボタンを押すと、その撮影モード切替の中で設定可能なメニューを表示するようです。セットアップで設定できるものなのか、一方MENUで設定できるものかが分からないので、結局両方を探るはめになって右往左往してしまいます。
さらに困るのがOKボタンがOKではない点。その時々によってOKボタンがOKだったり、キャンセルだったり、文字選択だったりと動作が変わります。特に無線LAN機能設定のところの文字入力が終わったときに、確定をさせたいのですが確定ボタンが分からないのです。
答えはシャッターボタン・・・
シャッターボタンにシャッター以外のファンクションをさせるという柔軟な発想がなかったので、脳トレとかやった方がいいのかも知れません。が、聞いた人は全員最初分からなかったそうで、少し安心しました。
撮影をやってみるとこれまた困るのが焦点をあわせるのに時間がとてもかかる点。１回、２回、３回とレンズが往復して、ようやく合うか合わないかという気の長さです。暗い場所ではさらに合いにくくなります。
マクロモードではマクロに切り替えて、さらにズームボタンを２回ほどクリックしてお花マークを緑にしないとまずピントは合いません。
そんなわけで起動はすばやいものの、シャッターチャンスを逃がしやすい作りになっています。
きちんとピントがあい、写真がとれたときの画質はコンパクトデジカメとしては十二分に満足がいくものなのですが、操作が余りに煩雑およびスローなので、短気な性格な人には向きません。屋外の明るい場所であればピントも合いやすいので、屋外でスナップ写真を撮るひとには向いているでしょう。
無線LANを使った機能を試してみましたけど、無線LANに接続するまでに一苦労。Webサービスを登録するのに二苦労。無線LANでの転送が途中で切れたり、転送速度が遅くて期待はずれ。
結局サーバーにデータをアップする前に、ローカルにバックアップを取るのが常なので、直接サーバーにデータをアップする必要性は薄いんですね。
昔「底なしカメラ」という企画を出したことがあるんですが、これは内蔵メモリをバッファとして扱い、無線LANを使ってサーバーにデータを非同期で転送させるというものでした。当時無線LANは802.11b(11Mbps)しかなく、公衆無線LANもないし、内蔵メモリも数Mバイトくらいしかない時代だったので実現できずに終わりましたが、COOLPIX C50cはこれを具現化するものかと思って期待したのですが、違いました。
スペックは完璧なんです。必要な機能はすべて揃ってます。しかしそれを実現するためのインターフェース、これがまったく成熟していないのが残念。iPodとiTunesのように、シームレスな連携。そしてiPhoneやWiiのような直感的ユーザーインターフェース。どれもテクノロジーとしては別段優れたものではありませんが、インターフェースが秀でているために傑出した製品です。今求められているのは、こういったインターフェースデザインだという思いを強くしました。
Nikon COOLPIX S50c sucks - The Fields, The Skyこれのどこに絶賛のポイントがあるのか教えてほしいね、まったく。ということで、使えない認定。カメラの基本機能も正直イマイチだし。
手厳しいですが、同意。