マンションが、コンクリートが危ない

なんだか最近、オールドタイプの自覚が出て来ました。やけに古いことを知っていて自分では普通に思っているのですが、その普通は意外と世間で知られてないことのようです。

コンクリートが危ない
小林 一輔

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70年代幼少期を過ごした私にとって、マンション、特に鉄筋コンクリート製はその粗悪な作り方により腐食して壊れるというのは常識でした。子供のころの聞きかじった噂では、コンクリに東京湾の海砂を混ぜて作ったので、鉄筋が錆びて腐食する、というものです。

件 名:「コンクリートが危ない」を読んで

山陽新幹線の度重なるコンクリート落下事故は記憶に新しいところですが、岩波新書の「コンクリートが危ない」(小林著)を読んでみました。
 この本は2005〜2010年の間に橋やビルが一斉に崩れ出す可能性があることを指摘している。東京オリンピックを境に、高度成長の波に乗ってそれまでの数十倍の、粗悪なコンクリートの建造物が建設された。それ以前のものは100年経っても使用できほとんどメンテナンスフリーであるのに、それ以後のものは10年を待たずして破壊が始まる・・・。

とまあ、そんな感じです。ですから最近話題の構造書偽造(実際には元になるものがないから捏造が正しいと思うのですが)は驚くに値しません。そもそも手抜き工事が常識の土木業界、今後芋づる式に出てくるでしょう、、、と思ったらそうなりそうな気配ですね。

アスベスト(石綿)といい、フロンといい、なんで小学生の頃にその危険性が指摘されて問題になったことが今頃(いまさら)社会現象になるのか不思議で仕方がない世の中です。

ところで皆さんコンクリートを作ったことがありますか?私はあるプロジェクトでコンクリートを使うことになり、ホームセンターでコンクリートを購入、加水して混ぜて使ったことがあります。あれほど辛くて苦しい作業を体験したことがありません。とにかく何時間もまんべんなくむらなく混ざるまで混ぜ続けないといけないんです。水が多ければ混ぜやすいですが、水が多すぎると強度が確保できません。夕方から混ぜはじめて、11pmまで混ぜ続けた日には本当に疲れました。世の中コンクリートミキサーとかありますが、心の底から欲しいと思いました。ということで水が多ければ混ぜやすいんですよ。ただフルーチェと同じで、水が多すぎると固まりません。フルーチェをたくさん食べたくてミルクを入れすぎ、固まらずに泣きそうになったことが何度かあります。

今後、どこに住居を確保するのか課題は尽きません。